文句あんのか | ナノ
呼び名が可愛いから


「な、頼む!俺と佐々木の仲じゃん!人生の先輩からの頼みだから!みっちゃんって子、紹介して!」

ここで会ったが百年目、紀田から拝み倒され、遼は深々と溜め息を吐いた。

「マオ…みっちゃんの好みは明るい真面目だぞ?マオは明るすぎて真面目とは程遠いんじゃね?」

「佐々木君が真面目とは程遠いと思うけど。」

マックの前で出くわした三人、遼の悪名高さは全国区なので目立つ上に自然と避けられている。

「そりゃそーだ。今日は平日、みっちゃんは今頃テニスで汗水垂らして部員走らせてるだろうからな。」

「スポーツに励む美人!テニスって事はスカート姿が是非拝みたい!と言うわけで案内よろしく?」

「みっちゃんのスカート姿なぁ…あんま似合ってねぇんだけど。」

暇だしいいか、と手招きしながら歩き出す遼について行く2人。そしてテニスコートに着いた瞬間、帝人は遼を見上げて

「…みっちゃんって、男子テニス部のマネージャーさん?」

「いや部長。みっちゃーんお客さーん。」

声を出した途端、静まり返ったテニスコート。注目されている手塚はフェンスに歩み寄った。

「…佐々木。高校生を連れてきて何がしたい。」

「いや、単にみっちゃん紹介してって言われたから連れてきた。マオ、この仏頂面がみっちゃんこと手塚国光。俺の腐れ縁。」

「…はじめまして、部長の手塚です。佐々木がご迷惑をおかけしたようで。」

軽く会釈する手塚に、愕然とした帝人とうなだれた紀田。

「…帝人。俺、泣いていい?」

「普通泣くよ。佐々木君のネーミングセンスが崩壊してる事も判ったし。」

「おちょくる為に敢えて変なの考えてんだ!ちなみに俺的にテニス部1美人な野郎はしゅうちゃんだな。人気あるし。」

「そもそも佐々木。学校に来るなら制服を着ろ。」

「次はそうする。つーワケでみっちゃん、部員固まってっから後片付け頑張れ。応援すっから。」

再び2人に礼をして部活に戻る手塚。

「…みっちゃんって男なら最初に言えよ!」

「言わなかったか?何度か制服交換の話しただろ。みっちゃんの制服小さいから動きにくい。」

「…つまり、佐々木君って女…?」

「知らなかったのか?下にはついてねぇし一応貧相な胸もあんぞ。」

「男並みにでかい女で中学生の上に私立のお嬢さんとか世界が否定するっ!」

「ミカちゃん、どっから突っ込むべき?」

「実力行使じゃなきゃどこからでもいいよ。紀田君っていつもこんな感じだし佐々木…さんも基本的にテンション低いから。」

「ミカちゃん、認めたくないならムリヤリ呼び方変える必要ねぇから。」

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