文句あんのか | ナノ
少しは鞘に入ったか


バイオレンスかつ、やかましさにかけてはトップクラスのヴァリアー。そこで育てば、嫌でも当たり前だと思うだろう。

「誰が着るかぁぁぁそんなもん!」

「一回ぐらい着てくれえぇぇぇ!!」

「果てしなくお前の趣味だろうがバカ!!男のロマンなんざかなぐり捨てやがれえぇぇぇ!!」

壁や床が砕かれる音。またやってるなぁ、としか思われない日常だ。

「今回何着せようとしたんだろうバカ。」

「卑猥な服かヒラヒラ系でしょうねぇ。ウェディングドレスかも。式は挙げてないし。」

「それ新婚の時にやったよね?遼かなり強くなったのに懲りないからバカ?」

「遼ちゃんも懲りないから似たり寄ったりね。」

ルッスの腕には寝ているチェーザレ。この程度の騒ぎでは起きない。図太い子供だ。

「長引いてるね。半壊するかも。」

「遼ちゃん最近北斗七星がどうのって騒いでたから肉弾戦やろうとしてるんでしょうね。」

のんびりとお茶を楽しみながら、破壊音をBGMにしている2人。

「…あ、止まった。」

「遼ちゃんが義手叩き落としたかしら。何回も壊してるからね。」

「遼は容赦ないけどバカは弱みあるしね。」

日常茶飯事になっているので、誰も取り合わない遼のバトル。

「ルッス、チェーザレ起きてねぇよな?」

「えぇ。お風呂入って着替えてらっしゃい。手当てさせるわ。」

「ん。冷蔵庫にレアチーズあるから食っていいぞ。百烈拳も石破天驚拳も出来なかったからリベンジしてやる。」

ボロボロの洋服だが、遼の顔だけは傷ついていない。スクアーロの個人的な都合だ。ひらひらと手を振って自室に戻る遼は、かなりのダメージを負っている割にしっかりした足取り。

「…遼って夢が男の子みたいだね。」

「あら、結構夢見る乙女よ遼ちゃん。やろうとする事が男の子みたい。やりそうだから怖いわ。」

「壁を破砕する夢見る乙女って何?」

「遼ちゃん恋してるもの。ただ、禁酒生活が長かったからかバカと恋人気分したいのか、二度と子供産みたくないらしいわ。」

「禁酒生活って中年オヤジみたいだね。バカ鮫と未だかつて恋人っぽいとこ見た事無いけど。」

「遼ちゃんもバカも照れ屋さんだからね。それに遼ちゃんは大和撫子だもの。可愛いじゃない。」

「大和撫子に失礼じゃないかな。」

遼手製レアチーズケーキを食べながら、好き勝手言い放題な2人。ザンザスも匙を投げたぐらい、日常的な光景だ。一番の被害者は、構成員である。

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