文句あんのか | ナノ
変わらない事が不思議


馬鹿力には定評のある遼だが、現在は美人と形容されてもおかしくない。常識を悉く破砕してきたのは、今に始まった訳ではない。

「…マグナムを二丁同時連射…。」

「ゴルゴごっこよりおもしれーなコレ。反動がこれも弱いからもっと強いのねぇか?」

ライフルで暗殺した事をごっこ、で終わらせるのだから何とも言えない上に、最強と言われているマグナムさえ反動が弱いと文句を言う。ザンザスも流石に非常識っぷりに呆れた。

「片手ならまだ解らなくもなかったが…馬鹿力すぎるだろうが。」

「今更じゃねぇ?つーかこれサノのおニューを選んでたんだろ?俺参考が間違いだって。」

確かに一理ある。重量級の物を当てる為だけに、遼はダーツを習って趣味にしたのだ。

「…ここまで来るとさようなら、今までの常識!って感じね。アルコバレーノがアスファルトに咲く訳だわ。」

「ルッス、一応俺も体は非常識ちょっとある自覚あるんだけど?」

「ちょっと、だと?」

眉間のシワが深くなるザンザス。ちょっとで済むような非常識加減ではない。加えて体、と言った。考え方はマトモだと言いたげな感じだ。

「体は馬鹿力でやたらと丈夫。百人ぶっ飛ばしても大丈夫みたいな感じ。」

「遼ちゃん、それどこかのCMじゃない?」

「そういう話じゃねぇだろうがぁぁ!!」

ザンザスの拳銃が唸ったがあっさりかわされる。

「と言うわけで俺これから極妻のDVDチェーザレと見るから戻るな。」

「なにその教育上マイナスにしかならないタイトル!?見せちゃダメよ!」

「だって俺観たい。チェーザレ離れねぇし。」

「あぁ、だからバカ鮫がさっきから騒いでるのね。育児なんてアタシ達似合わないわよね〜。」

「タンタンが赤ちゃん抱っことか放送禁止じゃねぇか?」

「遼はさっさとカス鮫黙らせに行け!」

「サノ、永遠に黙らせていいか?」

本当にやりかねないので、安易に頷けない。遼の冗談は引きつった笑いになるのだ。本気で夫婦喧嘩をされた日には、本部壊滅を覚悟しなければならない。

「喉潰せるなら潰せ。」

「さーいえっさー。」

映画の見様見真似で敬礼をすると、遼は楽しそうに部屋に戻った。

「射撃も上手だけど欠点は武器が壊れる事ね。刀握り潰しそうだわ。」

ザンザスも片付けを命じて戻った後、ルッスは遼の馬鹿力を甘く見ていたと痛感していた。握力も化け物クラス。

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