文句あんのか | ナノ
美しく強い妻


スクアーロの惚気。

一世一代の告白やってからが大問題だった。何せ遼は中学生だった訳で、一応親がいた。面は出したが条件付き。日本の法律に則り、16まで待つ。更に手を出すなと。孫は一回だけでも見せてくれ、最後はともかく前2つはキツかった。目の前で惚れた女に手が出せない事ほど、キツい事はねぇだろ。更に遼は曖昧な感情しか認識してなかった。俺と同じ部屋で寝てたが警戒は解かねえ、ベルがいれば血塗れになってバトルする日常。普段着は相変わらずメンズでも、所々華奢でアンバランスな魅力があった。結婚する何ヶ月か前になって、好きだと真っ赤な顔で言われた時は食いたくなった。それからは…余計な知識があるもんだから、食おうにも食えなかった。任務もボスにおど…依頼されて殲滅戦だけは参加してた。フラストレーションの発散か、派手に散らかしてたけどな。警戒が解かれるまで約一年。俺限定なのがまた嬉しくなる。体も多少女らしくなって、髪も伸びた。暴力的なのと言葉遣いは相変わらずだけどな。でも、こうして遼に触れていられる。その腹には俺の子供。消しゴムからトラックまで投げる、俺の嫁は毒殺婦ルクレツィア・ボルジアの本を…!?

「何読んでんだぁぁ!?」

「世界の悪女シリーズ。やっとイタリア人まで到達した。」

「赤ん坊の育て方の本を読め!」

「妊娠4ヶ月で読んでどうすんだよ。半年まだあるし腹も出てねえぞ。」

右手と左手を繋ぎながらオフを満喫してたのに、遼はこんな調子だ。お互いに人の親になるつもりが無かったのもある。それでも、首筋や鎖骨辺りに赤い痣。何年もかけて、丸くなって寝る癖を矯正した。アレはアレで可愛いけど、抱き締めにくい。遼の左手の薬指にはプラチナにブラックダイアの指輪。俺は首に指輪をチェーンに通して身に付けている。遼は気にしなくても俺が気にする。本気でいつか居なくなりそうだから不安だ。俺と遼の子供だからな、過激に育つだろう。俺がオフの日は遼も傍に居てくれる。その不器用な優しさが愛しい。それに子供が一緒になるなんて、夢みたいだがそんな事を言った日には間違いなくぶっ飛ばされる。何回か天井に叩きつけられたからな。二十歳を過ぎてから、遼は一気にヴァリアーの下っ端からも綺麗だと言われるようになった。それに優越感を覚えるなと言われても無理だ。少し体をずらし、遼の肩に頭を乗せて目を閉じる。お休み、とハスキーな声を聞いて少し照れくさくなるのは前からだ。

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