文句あんのか | ナノ
禁酒中につき取り扱い注意


掃除以外は家庭的な特技を持つ遼だが、如何せん暴力的すぎる気質でヴァリアーではザンザスと並び怖がられている。

「だぁれがんなヒラヒラした服なんぞ着るかぁぁぁ!シンプルなヤツってリクエストしただろうがぁぁ!脳みそ成長してねぇじゃねぇかクソ旦那ぁぁ!」

蹴破られたドアと一緒に飛ぶスクアーロ。相変わらずキャミソールと短パンで寝ている遼に、ネグリジェを買ったのだ。

「うしし、懲りないねスクアーロ。遼の怒りはマックス、機嫌悪そうだしマタニティブルーかな。」

「ドアと一緒に壁も粉砕されてますねー。いきなり蹴りですからー機嫌が悪いのに慣れましたー。」

「脳みそ成長してねぇのは遼もだろうがぁ!!何年夫婦やってると思ってやがるんだぁ!!」

「別れたきゃサノに直談判してこい!出戻りだろうが俺はフリーでやってける自信あんぞ!」

「話を飛躍させるなぁぁ!!誰がいつ別れたいなんて言ったぁぁ!?」

「…完全に2人共子供の存在忘れてますねー。破壊しまくる戦う妊婦なんて遼さんぐらいですよねーベルセンパイ。」

「流産しないか心配だわぁ…。遼ちゃんの体も心配だし。でも止められるのボスだけなのよねぇ。」

のんびりした観衆の会話の最中も、凄まじい攻防戦が繰り広げられている。オブジェや手摺りが投げられ続けるのだ。

「…カス鮫夫婦の喧嘩か。オブジェは撤去させる。レヴィ、止めろ。」

「は。」

と忠実に任務を遂行しようにも、ベルが使わなくなったナイフで近距離戦真っ只中。邪魔するな、と夫婦同時に襲いかかられる。

「どーせ脱がす気で買ったんだろうが下心丸出しすぎんだよ!」

「妊娠4ヶ月でどんだけ溜まってると思って…あ。忘れてた。」

ザクッ!と義手にナイフが突き刺さるが、スクアーロは動きを止めた。遼も固まっている。

「…コレ、激しい運動扱いになるか?」

「はぁいお二人さんストップ。遼ちゃんは赤ちゃんお腹にいるのよ?スクアーロの赤ちゃんが。」

お互いに熱くなりやすく、冷めるのは遅いが子供となれば話は別。

「遼、気分悪くなってないか?」

「あ、うん。危なかったな…。赤ちゃん殺すとこだった。スペルビの子供なのにバカな事しちまった。」

「いや、俺も忘れてたし悪かった。遼が産んでくれるのにな。ごめん。」

ラブラブバカップルモード突入。夫婦喧嘩は犬も食わないが、物理的被害が大きいので誰かしら止めに入らなければならない。その後はベタベタしっぱなしの遼とスクアーロだった。

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