文句あんのか | ナノ
詳しそうだから
謎の情報網から獄寺の電話番号を調べ上げた遼は、飯作ってやるからちょっと相談乗ってくれ、と凄まじく偉そうな連絡を入れた。それで来る獄寺も獄寺だが、遼の腕はいいので完全禁煙の遼の自宅へ足を運んだのだった。
「んで、相談って何だよ。下らねえ事聞くなよ。」
「いや、ラテン系の兄ちゃんって惚れたら即嫁に来いとか言うもんなのかって。知り合いのおっさんは嫁さん女神呼ばわりだし。」
ゴフッ!と口に運んだコーヒーを盛大に吹いた獄寺は遼を怒鳴りつけた。
「バカだバカだと思ってたらそこまでバカだったのかよ佐々木!」
「とりあえずコーヒー拭けよ。汚いから。」
差し出されたティッシュで口元などを拭いながら、キッと遼を睨む。
「あのなぁ、ラテン系は確かにノリいいイメージ日本人には持たれがちだけど本気で惚れた女なら幾らでも口説くし大概日本人と違って黙ってついて来いとか言わねえよ!」
「ノンブレスで長いセリフを有難う。…ちょっと待てよ。アレ?アレってそういう事?言葉遊びじゃなく?マジで?」
見る見るうちに顔が赤くなる遼に、やっと解ったのかと深い溜め息を吐く獄寺。ニブすぎる。これ以上になくニブい。他人は茶化すクセに自分の事となると、冗談でスルーしてきたツケが回ってきたのだ。
「佐々木に惚れた時点で男として間違ってる気はするけどな。強いっつーかそこんとこは十代目も認めてるし。女らしさ絶滅寸前だからな。」
「…俺が言うのもなんだけど女らしさがどこにあんのか聞きたい。」
「一応短パン穿いて下着隠してるだろ。見ても楽しくないけどな。」
「入学式は穿かなかった。バイオレンスな学校だって知ってたけど、いきなり喧嘩売られるとは予想外だったし。」
上背と目つきの悪さから目を付けられていたのだ。小学校から化け物扱いだったが、強さは増している。
「話を戻すけどな、佐々木相手に口説ける男なんて絶滅危惧種だぞ?シャマルはともかく。」
「あー、うん。つまり本気だと解釈しろと。…大佐俺どうしよう。外国人ってベタベタしたがるよな。」
「俺の知ってる野郎連中はそんなんだな。惚れた女になるとすげーんじゃねぇの?」
耳まで真っ赤になって頭を抱える遼に、呆れ果てた獄寺はコーヒーを飲む。
「…ある意味どっちも勇者だよな。佐々木はバカなクセに悪知恵は一級品で恋愛初心者、でも馬鹿力。」
「俺これからどんな面で接しろと!?女の子にモテる悲しい女だぞ!?」
「飯食ってから考えてやる。」
どっちが年上なんだか、と遼に外国人向けの扱いを教える獄寺だった。
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