文句あんのか | ナノ
デッドオアアライブ
訪問者の少ない遼の家。ただでさえ家主が不在になりがちだというのだから、当たり前と言えばそうなのだが、何事にもタイミングというものは存在する。
「大佐、なんか用か?」
キャミソールに短パン、風呂上がりの遼が出て来て獄寺は固まった。傷痕だらけであられもない姿だ。引き締まった肉体は男性にしては華奢、女性にしてはゴツく見える。
「…佐々木、もしかして寝てたのか?」
「いやさっき風呂入ってコーヒー沸かしてた。」
「恥じらいとかねぇのかお前。」
「見て楽しいのかコレ。」
そう言われるとさほど楽しいとは思えない獄寺。胸板は厚くないが、豊かとは決して言えない胸。暑がりな遼は年がら年中寝る時はこの格好だ。
「…とりあえず学校の配布された紙。」
「なんで二年の大佐が持ってきたんだ?くさやがいつも持ってきてたぞ。」
そりゃお前が学校中からビビられてるからだ!と言いたいが、分かりきった事なので言わない。
「そんだけ。必ず果てさせてやるからな。」
「ダイナマイトに頼りすぎるなよ〜。」
会話終了。獄寺は早々に遼の家を立ち去った。
「結構溜まってんな。」
部屋に戻り、一枚ずつプリントを確認している遼。しかしコーヒーの音に放り出した。
「おーいスペルビ。頼まれた時間だぞー。」
「…あぁ。おはよう遼。」
ペシペシと軽く遼に頬を叩かれて夕方に起きたスクアーロは、仕事で朝帰りだったのだ。寝ぼけ眼で遼の頬に口付ける。
「サービスで名前で呼んだらいきなり新婚ごっこかテメェ。」
「減るもんじゃねぇって遼も言っただろぉ。」
ガリガリと頭を掻きながら盛大な欠伸をするスクアーロに、遼はコーヒーを渡してプリントを読み始める。毎回、雲雀からいい加減に来ないと咬み殺す、と直筆のプリントもある。
「そーいや一週間ガッコ行ってねぇな。」
「行く気がねぇならヴァリアー来いって。イタリア語だいぶ覚えただろぉ。」
「イタリア語と日本語で通用すんのか。つーかあのサノにこき使われんのイヤだ。」
同族嫌悪に近い、ザンザスと遼の仲の悪さ。スクアーロに対する暴力加減は同レベルだ。酒を飲み明かしても仲が良くならない、典型的な例だ。
「強いからなぁ、遼は。ボスとやり合って生きてんのが不思議だぁ。」
「トラップ仕掛ける暇すらねぇyou spin me round状態だろ。」
「お前何歳だぁぁ!バブルに行ったのかぁぁ!?」
「るっせーなバンド名気に入ったんだよ。」
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