文句あんのか | ナノ
日本語上手すぎます


ルッスによる遼専用服コレクション?は…わざわざ特注したと思われるドレスやヴァリアーのコートなど一般人辞めろ、と言われているような代物だらけだったのだが動きやすく美しい、をテーマに選んであっただけ救いがある。

「受験生の敵ぃー。ネクタイってどう締めんの?絞め殺すんじゃなくて。」

「遼そんな事も…ガキだったなお前。」

「ガキンチョだぜー。こんぐらいなら見りゃ覚えっから一回見せてくれ。」

「やってやる。」

スクアーロから見て少し目線の高い遼の首に、似つかわしくないと思いながらネクタイを締めてやるスクアーロ。

「遼に首輪は似合わねえなぁ!」

「普通似合わないモンだろー?さて、サノが老いぼれ呼ばわりする爺さんの面拝みに行くか。つーか外寒いのか?地理から考えて日本より気温低いだろ。」

「…意外に考えてんな。」

「一応学生なんだよ。こまけえとこは考えたくねえけど来ちまった以上覚悟しなきゃな。\世の評判からしていきなりバトル突入は無さそうだけど。」

背広を羽織り、一般人失格としか思えないマフィアトップとの面会に向かう遼とスクアーロ。絵になるのが更に切なくなる。

「…受験生の敵、喜べ。サノの気配がする。」

「便利だなその勘。俺はここまでだからなぁ、氷付けになるなよぉ!」

「…何だよその超常現象。普通死ぬぞ。」

スクアーロと別れてボンゴレ本部の男に案内されながら、チャリチャリとベーゴマを指先で弄ぶ遼。逃走経路の確保として、かなりキョロキョロしているが彼らにとって、遼は最強の中学生。珍しいのだろうと甘く見ていた。

「はじめまして、お嬢さん。私がボンゴレ\世、ザンザスの父だ。」

あぁこりゃ確かに老いぼれだな、と遼は判断した。見た目を考えない、とそれだけだが遼をお嬢さんなどと呼ぶ人間はいない。

「日本語がお上手なようで助かります。世間からは関東最強と呼ばれる佐々木遼と申します。」

慇懃無礼とまではいかないが、社会を見てきた遼は口上ぐらいは言える。心がこもっていないのがよく解るが。

「口調は普通で構わないよ。君は実に、破壊的な魅力が備わっている。」

「褒めんのか貶すのかどっちかにしろや。」

あっさり手のひらを返して思い切り見下ろす。若さ故に傲慢かと思えば、強さに圧倒される。荒削りの才能は成長している、と\世は判断した。会談において遼としては、収穫らしいものは無かった。

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