文句あんのか | ナノ
自称・無害な中学生
「なんか用か?ムクドリさん。」
「幻覚はおろか、毒蛇すら握り潰す佐々木君にお聞きしたい事があります。」
「目の話聞かせてくれんなら答える。」
「人体実験の結果ですよ。まさかあのランチアまで力負けするとは。関東最強と謳われる男、その強さに興味があります。」
「俺、女なんだけどもう一回死ぬギリギリまでボコって欲しいのかよ。」
「…はい?」
「女だっつーの。単に洋服はちぃせえから私服はメンズだけどな。汚れだの破れだの前提で特注すんのは制服で充分だ。」
「…恐れながら身長はおいくつで?」
「188。これ以上伸びたら流石に泣けそうだ。」
「5センチぐらいボンゴレに分けて差し上げてはいかがです?」
「スパゲティの名前だろボンゴレって。」
「そう言えば無関係な方でしたね。関東最強と謳われているだけで。」
「その無関係な一般ピーポーに襲いかかった悪人面のランちゃんとムクドリは多少因縁がありそうだな。」
「悪人面は佐々木さんもだと思いますが。」
「ひゃはは、ちげぇねぇ。喧嘩売らなきゃ無害な女子中学生やってんだけどあっちこっちから目ェ付けられた上に勧誘されてめんどくせー。」
「…無害ですか?」
「俺から危害加えなきゃ無害だろ。」
「マフィアとは無縁に近い筈なのに何故こうも強くなったんですかね。」
「父子家庭っつーだけで問題は無かったぞ?掃除は嫌いだけど炊事洗濯裁縫出来て、見た目がコレじゃなきゃいい嫁になれたと思うし怪力は昔かららしい。いくつ携帯がダメになったか数えてもいねぇ。」
「関東最強…あなたの弱点が見当たりません。」
「最強だからか?ナンセンスだな。弱みの無い人間はいねぇ。隠すのが上手いか下手かどっちかだ。」
「クフフ、それでは佐々木さんの弱みでも探してみましょうか。」
「見つかってどうなるモンでもねぇな。だって俺まだ中学生だし成長してっから気付いた時には克服してるかもしんねぇ。未来は俺に見えねぇからな。」
「見えてもつまらないとは思いますよ。分かりきった物語は変えたくなりますから。」
「そりゃ至言だ。さぁて、今日の飯なんにすっかなぁ。」
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