文句あんのか | ナノ
ごく普通の自宅


「…人んちの前で何してんだサノ。」

「ザンザスだ。いい加減覚えろカス。」

「サノ…大人気ねぇから。女子中学生相手に意地張って何が楽しいんだ?」

「カスの名前なんざ興味ねぇからな。」

「そんじゃーそのカスに肋骨折られてゼーハーナウシカってた兄ちゃんは、何の用で俺のマンション調べて部屋の前に突っ立って待ちぼうけ食らってたんだよ。デートの約束した記憶はねぇぞ。」

「あんだけ血ィ流して平然と俺に馴れ馴れしく話すバカが生きてるか確認してやっただけだ。普通死んでるからな。」

「あの後即輸血だった。兄ちゃん獲物はナイフじゃないみてぇだとは思ってたけどな。」

「マフィアなら拳銃だろうが。」

「マジにマフィアだったのか。関東にヤクばらまくなら俺殺してからやれ。ヤク中は嫌いだからな。」

「老いぼれが許さねえからな、それはまだ無い話だ。その時はヴァリアー全員でテメェ殺させる豪華ディナーに招待してやる。」

「あんま詳しくはねぇけど喜ぶとこじゃなさそうなのは解った。立ち話も何だしコーヒー飲むか飯食うか?お偉い兄ちゃんに合う飯かの保障はしねぇけど。」

「テキーラかウィスキーはあんのか。」

「スコッチなら何本かあっけど一般的な中学生の一人暮らしにはねぇぞ。」

「それでいい。」

「お巡りさーん女子中学生が悪人面の兄ちゃんに強請られてんですけどー。」

「俺と目線の変わらねえ女子中学生がどこにいんだよ。」

「いや俺本気で戸籍上も実年齢も十代で義務教育真っ最中なんだけど…オマケがなんで今更車引っ付けて出て来るんだ?待たせて殺る気だったのかよ。」

「殺し屋の才能に溢れてやがるな。遼、だったか。ヴァリアーに来い。」

「こないだもヴァリアーって聞いたけどさ。何それ関東じゃヤー公からも聞かねえんだけど。」

「細かい説明はカス鮫にやらせる。」

「耳に悪いから別の奴にしてくれ。」

「おせぇ。」

「う゛ぉぉぉい!今日はオフだってこないだのデカい野郎じゃねぇか!」

「…で、サノ。これ誰なんだ。生きて関東に住んでる人間はある程度把握してっけどあんたら外国人だろ明らかに。」

「スペルビ・スクアーロだ。お前はどこの奴だ?」

「どこって…日本生まれの日本育ちな女子中学生やってんだけど。中学校の話するようには見えねぇ。」

「素人じゃねぇだろ。」

「…サノ。この受験生の敵はサノの何?」

「使えねぇカス。」

「フィーリングで部下と解釈するとして、だ。情報収集能力不足と駆け引き下手なのは解った。」

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