文句あんのか | ナノ
無垢な漆黒


関東最強の誉れ高き遼、見えなくても列記とした女子中学生である。必要なら協力もするが、基本的に強すぎるので邪魔者扱いだ。

「おいお前。佐々木遼だな。」

見下ろす癖が付いているので声の方向を見ると赤ん坊がドラム缶にちょこん、と座っていた。

「うーんと。メチャクチャりゅーちょーな日本語話す赤ん坊って見た事無いよな。初対面だよな。」

「あぁ、初対面だ。俺はリボーン、イタリアンマフィアのボンゴレファミリーで最強のヒットマンだ。」

「リボーン、銃刀法違反って知ってるか。まぁヤクザの親戚だし似たり寄ったりだろうけどな。んでハジキと俺で喧嘩か?」

見た者は身動きが取れなくなる程の、悪意に満ちた鋭い三白眼。

「場数を踏んだ目だな。関東最強と謳われるお前に頼みたい。ツナのファミリーに入れ。」

「わりぃな、俺は1人で最強って呼ばれっから上から目線が死ぬほど嫌いなんだよ!!」

神速、その言葉が相応しくさえある遼の蹴りがドラム缶に入った。すとん、とリボーンは着地する。

「雲雀と似てるな。一匹狼なのか?」

「オイオイ、あんな社会に通用しねえ社交性のヤツと同じにすんな。生活する以上誰かと関わるもんだ。その社交性を養うのが義務教育だって聞いたぜ?」

凶悪な笑みを浮かべ、中学生とは思えない覇気を放つ遼は存在感がありすぎて目が離せない。

「ツナよりは賢いみたいだな。」

「ツナ…昼飯ツナサンドにすっかな。でも今野菜高いからなー。腹に溜まるなら米だよな。ツナ缶使ってご飯に混ぜてドリアもアリだな。冷めるけど。」

「隙だらけだっ!?」

「あのさぁ、俺これでも野生化してるとか言われてんだぞ?法則がありゃパターンはほぼ同じだ。」

思いっきりリボーンを足蹴にした遼。リボーンの手にはライフルがあった。

「ヒットマン、ってのは狙撃担当。安全圏からいかにして遠くの獲物を捉え、急所を撃つかで腕が決まるらしいな。まぁ俺が見てきた中じゃ一番だ。んで俺は攪乱、もしくは切り込み隊長タイプ。派手に散らかすからな。つーワケで接近戦じゃ俺に勝てねぇ。俺の縄張りは関東、愛も執着もねぇが好きなんだよ。諦めてくれんならハジキ放せ。」

ライフルから手を離したリボーンを見て、遼は華麗にライフルを蹴り飛ばした。

「んじゃ、今度は中距離で遊ぼうぜ、リボーン。」

歩き出した遼を見送るしかリボーンには出来なかったのだった。

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