文句あんのか | ナノ
自己紹介?



「佐々木遼。よろしくする気もされたくもねぇ。」

沈黙。

「あの、もうちょっと特技とか趣味とか…」

「特技は自販機投げ。趣味はダーツ。」

立ち上がりもしない遼は冷ややかに委員長を見た。

「じ、自販機投げ…?」

「このクラスならどいつでも投げんぞ。保障無しだけど試されてぇか?」

どんな馬鹿力だよ、と思わずにはいられないクラスメート達。

「なら聞こう。黒板を外せるか。」

「無理じゃねぇな。」

勇者手塚。しかし魔王遼は強すぎた。再び沈黙が降りる。

「…飽きた。帰る。」

ガタンと立ち上がり教室を出て行く遼。入学式の血の海伝説で、誰も何も言えなかった。

「佐々木遼…か。」

恐ろしいまでに強く縛られない、悪魔も怯えかねない女だと手塚は思った。おちょくるのが大好きだと知るまで後二週間。

「アホらし。なぁにが水と安全がタダだ。オヤジについてってアメリカ掌握目指した方が楽しいっつーの。どいつもこいつも根性ねぇなぁ。」

カチカチと携帯をいじりながら全校生徒の情報を把握し、至極つまらなさそうに情報を流して携帯を閉じ、学校を後にした。

佐々木遼は青学の生徒

「精々血眼になって探してくれや。」

袖に付着した血は取れないだろうな、と5着注文した制服がいつまで綺麗なままか賭けでもしてみるかと遼は笑いながら家に向かって歩く。

結局、最初の制服は1日で血まみれになりダメになってしまった。

「ホント似合わねえなぁ。何で男に生まれなかったんだか。」

額から血を流しつつ制服をつまんだ。ナイフで切られ肌も露わだ。

「さてさて、今年は何を楽しみに生きるかな?」

簡単にはくたばらねえし、俺より強い奴でも探して時間潰すか?グイッと袖で血を拭い、ブルブルと頭を振って髪を撫でつけた。

「とっとと終わんねえかなぁ…学生とかめんどくせぇよ。」

取り立てて生きる意味も無く、ただ売られた喧嘩を買い続けて暇に飽かして情報屋紛いをやっている。

「人生の八割は無駄で出来てたりしてな。」

桜を眺めながら家でコーヒーを飲む遼は一年生の時点で完成しつつあった。殺られる前に殺る、座右の銘かもしれない。

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