理系バカと呼ばれ | ナノ
この時のサンショウウオの気持ちを書きなさい
学生の本分は勉強である。しかし、香奈は理系に関してのみ日本の第一人者。よって、壊滅的な国語を勉強せざるを得ないテスト前。あとベッキンガムに誘拐さながら連行され、問答無用でテスト勉強。
｢香奈ー、コレどう計算すんの？｣
｢割合〜。消費と生産と輸入と輸出から〜｣
日吉必携が、向日と香奈を襲った。隙あらば研究に突っ走る香奈の見張りは、何かと忙しい。
｢向日、香奈に経済聞いたら日が暮れるぞ。｣
本当に、数字が関わるなら無節操なぐらい勉強熱心だから、止めなければならない。専門家と同レベルで渡り合うのだから。
｢ね〜若君、サンショウウオが〜感情持ってるって聞いた事が無いよ〜？絶望ってなぁに〜？｣
｢辞書ひけ理系バカ！名作を根本的に否定するな！そういう作品だ！｣
最早、ツッコミの際には敬語すら使わない。香奈の感性が、とんでもない事にこちらが絶望したいぐらいなのだ。
モグラたたきレベルに頭を叩かれる香奈。その姿勢は諦めたくなるレギュラー達の希望だ。
｢ちゅーか、珍しなぁ。いつも余裕ぶっこいとる跡部が勉強やなんて。｣
｢香奈先輩に…負けたくない、そうです…。｣
英語、ドイツ語、理系は香奈の独壇場だ。
暗記は一夜漬け、つまり国語以外トップクラス。首位争いに加わる事は無いが、散々バカにしているからこそ負けたくない。
｢激ダサだな。香奈に理系で勝つのは無理だろ。｣
一年生でとんでもない自由研究を提出し、それ以降出さないでくれと頼まれたぐらいなのだ。無茶もいいところである。
｢英語だ！香奈はな、調べたら入学当初から満点取り続けてんだよ！｣
｢香奈ちゃんお医者さんだから英語話せなきゃ話にならないＣ〜。｣
教師しか知らないが、英語の難題を出して正解した者は香奈と跡部だけだ。
古典ではなく、新聞記事の問題だから正解した。テレビは見ないが、世間で何が起きているかぐらい把握している。
｢ドイツ語は？香奈、ドイツ語取ってたよね。フランス語じゃなくて良かったよ俺。｣
滝は完全に他人事だ。医学は、かつてドイツが本場だったから覚えたと言うあまりに切ない理由だが。
｢ドイツ語は同率だ。英語はケアレスミスを期待するようなマネはしねぇ。｣
そういう点では、跡部も潔いと言える。あまり期待出来ない事だが。
｢ね〜若君、両生類ってお話出来る｣
｢だから根本的に否定するな！カエルとサンショウウオが話さなきゃ成り立たない作品だ！｣
短編小説にも関わらず、かなり難航しているテスト勉強。
結局、跡部は英語で香奈に勝てなかった。
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