理系バカと呼ばれ | ナノ
綺麗に出来ますか




休みの日は、存分に研究に励みたいと言う根っからの研究者根性丸出しの香奈だが…真人間にする会が黙っている筈もなく。
髪の毛を引っ張られ、立海メンバーに引きずられながら山吹へ連れて行かれた。柳のデータ曰く、素晴らしいぐらいに女好きの千石がこの香奈を対象として見れるか。
歩くホラー、精神攻撃は全国区。メントレどころか胃に穴が空きそうだ。

「え、立海…!?」

王者の貫禄と言うか、あまりにも濃い面子だからか。山吹メンバーは練習の手を止めて固まった。
丸井がじゃんけんに負け、香奈と手を繋いでいる。

「久しぶり、南。単に、香奈を連れて来て見せたかっただけだから。」

幸村、柳、丸井、ジャッカルが連れ回している。全員は流石に物々しい雰囲気になるからだ。

「ちっちゃい女の子だね〜。後輩?」

紺に白い小花を散らしたワンピースを着ているが、顔色はいつも通り悪い。それでも千石は食いついた。
ワンピースばかりなのは、無精対策。面倒くさいから着ない、とは言わせない。

「イヤだなぁこんな後輩欲しくないよ。氷帝の3年、信濃香奈さん。テレビでよく名前が出てるけど、本人だよ。」

「え!?室町!憧れ?の信濃香奈さんだって!」

部活はいいのかお前ら。と思いたくなるが大集合する山吹。

「あ、あなたが信濃香奈さんですか…?」

「はい、信濃香奈です。この人達が、どうかしたの〜?」

壇に目を輝かせられながら見つめられる。しかし、香奈には全く解らない。幸村を見上げ、首を傾げるが軽く頭を叩かれた。

「幸村が叩くなんて意外だけど、阿久津じゃあるまいし頭かち割るなんて言わないよね?」

「あ、バカ!止めろ!」

丸井の制止にも耳を傾けずに、香奈は懇切丁寧な解説を開始した。

「頭を割る、すなわち頭蓋骨だから〜少なくとも18キロニュートン」

再び叩かれた。物理でも習うニュートンだが、大きさがピンと来ない。

「医学と物理学混ぜた解説は解らないからやらないでくれ。」

ジャッカルの切実な願い。専門用語の羅列と化すからだ。加えて、英語も混じるので混乱する。

「…信濃さん、だっけ。何してる人?」

柳が懇切丁寧に説明し、伴爺に練習に戻れと言われるまで、香奈の凄まじい偏りすぎた価値観についての話をしていた。当然、彼らも柳から渡された体力テストをやってみて。会に参加する事となる。
理系バカは、マトモな女の子へ導かなければ自分達が危ないと解ったからだ。特に、新渡米は最初から目を付けられていた。抜いて分析したい、と言い出したのだ。

- 56 -


[*前] | [次#]
ページ:






メイン
トップへ