理系バカと呼ばれ | ナノ
研究こそ我が人生




殺人ファイルを開いて、香奈は医師免許を取った時の話をした。
エグい上に、生々しいのだが柳は興味深いと話をさせる。ただし、英語だ。

「成る程。そういう理由なら赤目の理由が立証されるな。」

「推論だから絶対的じゃないよ〜?」

何故か、殺人ファイルを持たされて立海メンバーが食事するテーブルに座らされている。
当然、食事は終わっているので聞きたくない者は逃げている。

「一回しか見てないけど〜ランダムに弾むように見える〜あのサーブ。握力…と言うか〜年齢上肉体がアンバランスだから〜パターンがあるよ〜?」

「赤也のナックルサーブか。信濃は動体視力までいいのか?」

人間性に問題がありすぎると、柳も敬称を付けなくなった。研究内容は素晴らしくハイレベルなのだが、中学生にはそんなもの。

「ちっとも〜。肉体は標準以下だよ〜?」

効率しか見ないので、確かに動きはいい。だが体格などを考えると、秀でるには血の滲むような努力を要するだろう。
そんな事に香奈は興味が無い。体より頭を動かしたいタイプなのだ。
かなり偏っているが。

「イヌ科イヌ目…じゃなくて〜桑原さん?のスタミナは〜日本人の中学生レベルとしては〜群を抜くよ〜。長距離ランナーとしては〜未完成だけど〜。」

「…人間も動物だが、ジャッカルが聞いたら怒るぞそれは。」

なまじ香奈に悪気が無いだけに、厄介だ。ジャッカルと言う動物呼ばわりしようとしたのだから。ところどころ、英語を使ってカバーしているが日本語能力が低すぎる。
揶揄も通じない、イヤミなどもってのほか。香奈にはストレートに言わなければ通用しないのだ。
氷帝メンバーが熱心に説教しても、神経を逆撫でしている。

「柳さん、もういい〜?目覚ましまだ出来てないから〜作りたいの〜。」

「…あぁ。早めに完成させてくれ。」

今朝のダメージは、立海メンバーさえ頭を抱えたくなる代物。いくら真田の怒声に慣れていても、目覚ましにはしたくない。

「後は〜タイマーを内蔵して調整可能にするだけ!あ、ボタン付けなきゃ。」

「香奈、その前に風呂入って来んしゃい。」

「いやーっ!もうちょっとなのにー!」

忍足と仁王2人がかりで、髪を引っ張られて風呂に放り込まれていた。香奈の体重は軽いので、簡単に引きずれるのだ。

「にしてん、Fカップなんが泣けてくるわ…。」

「Fカップなんか。宝の持ち腐れじゃ…。女は多少嫌がってくれんと燃えんな。香奈は無防備じゃき。」

思春期の少年、やっぱりそっちに頭が行く。

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