理系バカと呼ばれ | ナノ
筋金万単位!
白嶺の悲鳴に、最初駆けつけたのは氷帝から宍戸と日吉、そして立海は仁王と丸井と切原だった。
白嶺は泣きじゃくり、座り込んでいる。香奈はその正面に座っていた。
「白嶺!テメェ、何しやがったんだ!?」
「いや、香奈に聞いても無駄だ。覚えちゃ居ないだろうよ。」
「どういう事だよ?」
いきり立つ丸井に、宍戸が脱力気味に呟いた。見る目がない白嶺に、呆れているのだ。
赤也が睨むが、日吉があっさり答えた。
「香奈先輩は理系なら何でも覚えますが、それ以外は全く覚えませんから。香奈先輩、一応聞きますが説明出来ますか?」
「ううん〜。よくわかんないし〜数字にならないものには興味無いよ〜。」
やっぱりな、と呆れる2人に、仁王は鋭い目で香奈を睨んだ。
「じゃあこの状況は何じゃ。」
「ひっ、信濃、さんが、私が、邪魔、だって。」
しゃくりあげながら、白嶺は説明するが大集合したメンバー、氷帝は真っ向から否定した。
「香奈ちゃんがドリンクぶっかけた?アホもええ加減にしぃ。んな二度手間香奈ちゃんは天地がひっくり返ってんやらんわ。」
「極度の面倒くさがりだからね。香奈は無駄と言うか日常生活全て、面倒くさいで片付けるし。」
真田や柳生が問い質したが香奈の日頃の行いの凄まじさに、言葉を失った。マトモな神経では耐えきれないと跡部は断言する。
「筋金百本でん足りん無精やからなぁ。」
「練習5分前だよ〜。普通でしょ〜?」
首を傾げて見上げる香奈に立海メンバーさえも怒鳴りつけた。
「普通じゃねぇ(ではありません・やあらへん・ではない・なか)!!」
「残念だったな、雌猫。香奈、床拭いてドリンクもう一本作れ。」
「あれ私のだから〜気にしな」
忍足がひっぱたき、迫力満点の笑顔で言った。
「香奈ちゃぁん?何回も熱中症でぶっ倒れとって、大丈夫やなんて言わせへん。作りや?」
「なんで自分のだって判るんだよ?」
ジャッカルが首を傾げて尋ねた。
「冷蔵庫の仕組みは〜シンプルなんだけど〜基本奥に冷むっ」
「桑原、香奈にそういう話させないで?練習遅れるから。香奈も説明しないでいいからね。」
口を塞いだ滝が、妖しく蠱惑的な笑みを浮かべて切実に訴えた。
講釈が、不親切な上に異常に長い。香奈としては普通に説明しているつもりだが知識が無ければ話にならない。
「練習に行きましょう、跡部さん。香奈先輩が人間関係でトラブル起こすとしたらあまりの無関心でしょうから。悪い人じゃないんですけどね。」
悪意が無いから話が拗れるのだ。香奈も渋々指示に従って作業を開始した。白嶺はほぼ放置されていた。
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