理系バカと呼ばれ | ナノ
だいぶ減らしたんだよ?




毎年恒例、合宿。
だが今回は、全国大会二連覇を成し遂げた立海に打診をし、国内ならばと合同合宿する事になった。

「マジマジ?うれCー丸井君と合宿!」

「それはともかく。香奈はどうすんだ?」

宍戸が跡部を見て、不安そうに呟く。色んな意味で疲れる事請け合いである。
暇さえあれば理論を考え、この世のものとは思えない部屋に住む香奈。
確かに能力は高いが、人間味が感じられない。紛れもなく人間だ、と熱中症でパタパタ倒れるので解ってはいるが。不安なのだ。

「私に関係あるの〜?」

食事をしていたので黙っていた香奈が、正直すぎる疑問を投げかけた。偏りに偏った知識。
顔色は依然として悪いが、少し頬がふっくらとしている。以前と比較すれば、の話だが。

「大ありや。香奈ちゃんウチのマネージャー何やから。」

半ば名物になっている事は中等部の生徒なら知っている。噂に疎くなければ。
滝も、溜め息混じりに呟いた。色々と厄介な事になるのは解っている。

「確かに香奈は能力の高さだけなら右に出るマネージャーは居ないよね。」

ただし、能力の高さ限定になる。下手に仲良くなると間違い無く、心の底から後悔するからだ。
跡部はあっさりと言い放った。

「マネージャーは香奈しか居ねえ。練習は確実に集中出来るだろ。水分さえ取らせとけば。」

そのさえ、が出来れば4回も倒れていないだろう。顔色で判りやすい利点はあるが、その度に日陰へ運ばれるのだ。異常に軽い為、人手は割かないが。

「と言うわけで香奈先輩、合宿の準備をして下さいね。コレ、榊監督から預かりました。」

鳳がこれさえ言えば自分は何とかなるだろう、と香奈に手紙を渡した。
すぐさま目を通し、香奈はおもむろに立ち上がる。しかし、髪の毛を即座に掴まれた。
長すぎる髪は、洗ってあれば便利なのだ。

「岳人君、今から帰って作るもの作って荷物まとめなさいって先生からの手紙に書いてあったの。」

何を作るんだ。と唱和したが長々と説明され、香奈は早退した。
国家を挙げて守られるべき研究の数々、その重要性は榊がよく知っているのだ。2、3日がかりで荷物をまとめ上げた香奈だが…量が凄まじいので行きのバスでは散々説教されていた。

「たかが合宿に、ダンボール幾つ持って来るんですか!?」

「7個〜。先生に電気系統いじっていいって言われたし〜。」

「数の話じゃねぇよ!電気系統って何するんだよ怪しげな実験は二度と俺様が許さねえ!」

中身を見ても、彼らには全く解らない。

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