理系バカと呼ばれ | ナノ
筋肉のバネも年齢別




屋上へ連れて行かれた香奈は、忍足に当然ながら驚かれた。

「遅かったやん跡部。って香奈ちゃん!?何しとんのや。」

「こんにちは〜皆さん。生徒会長に言われて〜マネージャーになる事になりました〜。」

「あれ、香奈ちゃんだC〜久しぶり〜。」

変わらず樺地に抱っこされているが、香奈は全く気にせずのんびり芥川と話している。…殆ど理解しがたい内容だが。

「全員知り合いなのか?」

「多分そうだな。ジローは睡眠時間計測させられて、長太郎はサーブ打たされて俺は体力テストさせられて向日はジャンプの実験に付き合わされたらしい。」

あっさり言っているが、とんでもない内容だ。詳しく語られても、理解出来ない事ではあるが。

「俺はストップウォッチの止め方のコツ聞いたし色々統計聞いたよ。信濃さん学校での実験、スッゴいやりまくってるから。」

滝は昨年同じクラスだったので、滝が一方的に仲のいい女子生徒と認定しているのだ。香奈は名前と顔をうろ覚え。
クラスメートの顔と名前すら研究に関わらないならロクに覚えない、ある意味才能だ。

「サーブ打たされてってスカッドサーブか?」

「跡部さん、信濃先輩にそんな事覚えさせようなんて無茶無理無謀ですよ。」

何回言っても覚えなかったから、鳳は諦めた。名称は定義に纏わらなければ、科学以外覚えない。

「鳳君?のサーブ以上の速度を出すには〜成長期の男である事と〜腕力と肘及び肩の負担から考えて〜難しいよ〜。肩は〜もう傷めている可能性が〜高いね〜。使用頻度が高ければ〜肘に慢性的な炎症を〜起こす可能性もあるよ〜。」

研究オタクだろうが理系バカだろうが、呼ばれても気にしないどころかちっとも覚えない。
頭をゆらゆらさせながらぽややんと、実験結果から出された結論を言われても説得力が無い。

「え!?信濃先輩肩痛いの知ってたんですか?」

「関節の負担を考えて〜一般的な数値から〜推測しただけだよ〜?」

「あ、じゃあジャンプ実験の話どうなった!?」

ぽややんと間延びした声で実験結果から推測される答えを言っていく香奈。目立つ技に関しては、最早網羅していた。
粗方研究終わってるじゃねぇか、と跡部が思うのも仕方がない。見事な頭でっかちだが、素晴らしく理系に特化しているので、極端にスポーツが苦手だと思われてすらいない。
話はどんどん進んで、今何を研究したいのかと聞かれている。

「今は〜核を上回る破壊力と〜エネルギーを出す大量殺戮兵器と〜梅毒スピロヘータの試験管内培養の確立と〜光速に耐える合金の作成かな〜?」

全く理解出来ない世界の話に突入していた。

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