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サイエンティスト小咄
2011/03/16 20:32
調教
幸村に引きずられ、香奈は神奈川くんだりまで連れて行かれた。幸村家のパソコントラブルを、無償で直させる気なのだ。
「コレ、学校のパソコンより動きが悪すぎて。見てくれないかな。」
「…まず場所が悪いよ〜?一般家庭で使用するPCでなくとも〜直射日光がディスプレイでなく本体に照射されたら〜熱暴走するよ〜?」
いきなり根本的な話で行き止まってしまった。幸村家は、全体的に明るい。窓も大きく、庭を見渡せるような健康的な家だ。
だが、電子機器のプロフェッショナルが断言した。直して貰う立場なのだが、幸村は二の句が言えない。
「三世代前のCPUに〜最新のOSを載せたら〜処理能力は確実に落ちるよ〜。」
いきなりシャットダウンを行い、ひょいひょいとコンセントを抜き始める香奈。エアコンと直射日光の当たらない場所を、幸村にはさっぱり解らない独り言を言いながら探している。
「あそこの本棚を移動させて〜約10センチの隙間を置いて本体とディスプレイを〜金属のラックに載せたら〜熱暴走は回避出来るよ〜。」
「…香奈。さっきから言ってる熱暴走って何?」
「マザーボードが熱処理仕切れなくて〜強制終了してしまう事〜。」
余計解らない。
マザーボードって何?と言い掛けたが絶対に解らない確信が幸村にはある。熱暴走も微妙に解らないのだから。
「あ。やっぱりファン詰まりかけてる〜。」
本体を転がして、デスクトップ型パソコンの後ろを見詰める香奈。他にも、正直すぎる指摘を容赦なくしている。
「…ラックは父さんに買ってもらうから、今出来る範囲で動きを良くして?」
「三世代前のCPUに最新のOSを載せて〜?ハードディスク初期化してもあんまり変わらないよ〜?」
要するに新しいパソコンを買え、と香奈は言いたい。旧型を好んで使いたがる理由を、全く理解しないのである。
理系の最前線を突っ走る香奈だから、とも言えるが。
「…それじゃ最新のOSじゃなくていいから。」
「OSのディスクと〜番号の控えある〜?」
そして、ぶつくさと独り言を言いながら何だかんだでやり遂げた香奈だが。
幸村の父が驚く程に処理能力が上がっていた。学校のパソコンよりも。
ただし素晴らしく効率的な機能重視パソコンに変わって、暇つぶし向けのゲームなどは無くなっていた。
椿様と匿名様へ返信!
椿様
→実は伊達眼鏡さんは2人います。仁王が(笑)データマンズか不幸コンビなら止められると思います。
匿名様
→はじめまして、有難う御座います。iceべきバカになっているようで嬉しいです。ちまちま小ネタを書いていきます。
…観月君の出身地への旅行計画、頓挫しました。地球のバカやろぉぉぉ!空気読めぇぇえ!!
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