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夢の無いバレンタイン後日

2011/02/15 15:55

題名通り、本気で夢の無いバレンタイン後日のお話ゴジラさん。
苦情は受け付けられません。妄想なので。



収穫祭


バレンタインは、遼もご勘弁願いたい行事の一つ。人気の高い男子以上に貰うからだ。
「…みっちゃん、何個貰った…?」
「…222個押し付けられたが何だ。」
「カカオに殺意沸いてきたから。トータル312個って俺に糖尿病になれって言われてる気分。」
「殺意は確かに解るが…跡部を考えろ。」
「四桁だってさ…。どうすんだよそんなに貰って。ばらまくのか?」
ぐったりしながらぼんやりと、手塚に贈られた山積みのチョコレートを眺める2人。猛者は自宅に郵送だ。こういう時に発揮される女の子のパワーは侮れない。お返しを考えた瞬間、財布が痛くて涙が出そうだ。
「そもそも佐々木。トータルとは?」
「みっちゃんと違って他校の女子だけじゃない。夜のお姉様方。」
前渡しですら、胃腸薬が欲しくなる。雲隠れしようが一応遼も中学生、授業全てすっぽかして無事な筈がない。神出鬼没とも言われるので、前後に貰うのは最早宿命だ。見た目も性格も、下手な男子以上にカッコいいと黄色い声が響く。
「ちょっと待て。インフルエンザで寝ていなかったのか。」
「熱下がったから。頼まれた事あったし。嬉しくないリア充っぷりだよな俺って。」
「いっそのこと欲しがる奴に押し付けたい気分だ。誰が食べきるんだ?」
「知らねえ…。チロルチョコでもすっげえ数になるよな。けごたん恨む。配達してきやがった。」
貰えないと嘆くより、貰いすぎて嘆いても目の前に鎮座するチョコレートの山は消えてくれない。知らなくていい裏事情、例えゴディバだろうが手作りだろうが一緒くたになるのだ。幾ら甘いものが嫌いではなくても、げんなりしてしまう悲しい現実。
「乾はまだ少ないと他人事で集計していたな。」
「レンちゃんはかなり貰ってんのに生き生きしてるって。まーくん泣いたから鼻声だったぜ…。」
「チョコレートに致死量があるような気がしてくるな。」
「うん。…どーしよ冷蔵庫チョコだらけ。」
現実を直視しているのか、逃避しているのか。手塚家の皆様がドン引きする程のチョコ。一人暮らしには捌けない数に、バレンタイン牧師の偉業はどこへやら物騒な発言が多いテニス部員達だった。数を競う気も起きないのだ。

去年のバレンタイン集計を元に、リアルで貰ったら気が遠くなると思って書いてみました。たしけはどうやってんだろ。

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