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サイエンティスト小咄

2011/07/06 18:05

メルヘンクラッシャー

どうにもこうにも人間味の見いだせない彼女に、オーソドックスではあるが童話を無理矢理読ませた真人間にする会。しかし、ラプンツェルをチョイスした事を心の底から後悔した。

「西ユーラシア人種と仮定した場合、毛髪の直径はアジア人と比較して細い傾向にある。毛髪数は約19万本と推定、毛髪の重量は生誕後一度も切っていない前提に於いて総重量80キログラムを超える。」

「…80キロ、持つんかラプンツェル…。」

「ねぇ萩之介君、この人、シャワーは〜?」

「止めよう!もう童話読ませるの止めよう!?俺の思い出が汚される!」

「…こうなるって、事だよな。」

滝が慌てて止めたが、如何せん彼女は果てしなく理系バカ。宍戸は、洗われていない長すぎる髪の毛を見てしまう。
…例え童話でも、髪の毛を伝って登る魔女と王子。そしてつまり体は拭いたとしても、髪の毛は生まれてこの方洗っていないラプンツェル。

「…跡部さん、何でラプンツェルなんですか?」

「最初の物語だからだろうな。短編集だぜ。」

ただし、切り口が斜め上を行く彼女に恋だの愛だのを理解させるには、童話は合わないようだ。全て数字に屈してしまう。
どうなろうとも、原作だけは彼女に読ませたくないものだ。何の躊躇も恥じらいもなく、読みかねない。

「…俺、何かラプンツェルすげー汚く見えてきた。どうしよう。」

「向日先輩、多分全員ですよ。」

シンデレラだろうが、白雪姫だろうが、眠れる森の美女だろうが。やはり生々しく思うと抵抗感がある。


サイエンティストさんにやらせる暴挙に出ました。つい先日、メールをしていてサイエンティストさんは絶対こっちに突っ走るだろうなぁ、と。
…更新サボっててすみません。

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