「すーすー」
「あれ、早いなあ…◆」
腕の中のゆあにちょっかいを出そうとしたときにはもうすでに遅く寝息を立ててぐっすり寝ていた。
「……つまらないなあ◆」
声の出せないゆあを苛めて遊ぼうと思っていたのに◆諦めて髪の毛を手ですくった。相変わらず綺麗な黒色だ。さらさら流れる。シャンプーのいい香りがした。
いつも適当な女を抱いた時には一緒のベッドで寝るのなんて嫌だからすることが終わったら殺してしまう。それなのにゆあだとそんな気はおきない。
むしろこうやって寝顔を眺めていると少し安心するような気がして…いや、そんなことはありえない。と考えるのをやめた。
ゆあを拾ってからというもの
自分は少し変だ…
最初は暇つぶしのはずだった。
飽きたら殺すつもりだった。
つまらなくなったら捨てるつもりだった。
なのにいまはそのどの気もおきない。
ゆあの為にわざわざ宿を変えてこんな安全なところでマスターに監視までしてもらって…
「調子狂っちゃうなあ◆」
これもただの気まぐれなんだ。
そう決め付けて自分も目を閉じた。