くろあか | ナノ

 十一話 お仕置き




「んー結構すごいねそれ◆」
「っほ、ほんとですか…?」

ヒソカさんが滝に攻撃して、水に攻撃して、木に攻撃して、岩に攻撃して、ボクに攻撃して、と止まることなく言ってくるのでまだ使いこなせていない状態で何度も試した。

「まだまだ攻撃力は微妙だけど、使いこなせるようになれば◆」
「ぜえっ…そう、です…か」

カラオケで熱唱したあとのように
喉がヒリヒリして声がでにくかった。

「(さっきの小さな声でも威力を出したい…とかそのへんは明日相談しよう…)」

いまは疲れて声を出すのもめんどくさかったのであしたにしようと決めて、黙った。

「じゃあ、今日は念の修行をしようか◆」
「…」

こくこく、と大人しくうなずく。ヒソカさんがじ、とみてくるがしゃべる気がなかったのでとりあえず首を傾けて「?」と意思表示する。伝わらないかな…でもしゃべるの辛いし…と悩んでいたがヒソカさんが歩き出したので慌ててついていく。わかってもらえたのかな?

そのあとは「石割」という修行方法がある、と教えてもらった。「周」と「硬」の応用で片手でつかめる程度の石を「周」で強化し、その石を使って石を割る。という修行方法らしい。

昨日やってみたけど何十個か割ったところでギブアップした。これを続けていれば強化系の底力があがって威力も上がるらしい。これをがんばれば小さい声でも威力があげられるかも…!

「ゆあ」
「…?」

修行が終わったあとに呼ばれてとりあえず近寄るといつものように頭を撫でられた。

……なんなんでしょうか?

一通り撫で終わると満足したのか帰ろうか◆と言われる。?今日のヒソカさんはちょっと変。よしよしとまた頭を撫でられてほんと今日はなんなんだろうかと首をかしげる。

夜は円のおさらいをした。わたしは大体5mぐらいに円をはれる。すぐに周りへの警戒をといてしまうのでヒソカさんに何度も怒られている。

「(けど、忘れちゃうんだから仕方ない!)」

子供のわがままのような言い訳だ。ごはん食べながら、お風呂に入ってるときも勉強してる間も円を続けた。

時計を確認するともうすぐ23時を過ぎるところだった。勉強もきりのいいところだったのでノートを閉じて立ち上がった。

「おや、もう寝るのかい?」
「(こくこく)」
「そう◆じゃあボクも」
「ちょ?!」

ベッドに入るとなぜかヒソカさんも入ってきて喉が痛いのも忘れて叫ぶ。

「―っ」
「ほら痛いのに無理しちゃダメだろ◆」
「(誰のせいだ!)」

じろ、と睨んでみるが効果なし。ぐいぐいと手で押し返すがびくともしない。

「(…はあ)」

諦めてソファーで寝ようと立ち上がる。

「こらこら◆」
「うっ…?!」

―ぐいっ どさっ

手を引っ張られて再びベッドへと戻される。なにするんですか!と言いたかったがうまく言葉にならなかったのでもう一度睨む。

「お仕置き◆」
「(はい?)」

意味がわからなかったので首を傾げる。

「ゆあ、今日叫んでたよね…?」
「?」
「森で、ヒソカさんのば「っあ!!!…う」

そこまで言われて思い出して叫ぶが喉が傷んで途中で止まる。ヒソカさんはニヤニヤと笑っていた。

「だからこれはお仕置き◆」
「(やっぱり怒ってるんじゃないですか…)」
「今日はボクの抱きまくらね◆」
「(ううう…)」

逆らいようもなかったので諦めた。布団に潜るとさっさと寝てしまおう!隣にヒソカさんなんていない、いない、いない。と暗示をしながら目を閉じた。



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