くろあか | ナノ

 十話 夢




朝、走り込み。

昼はヒソカさんと組み手。

夜は勉強。

前のわたしよりも

今の私の方が一生懸命な気がする。






真っ白い空間。

モヤがかかった映像のようなものを
ぼーっとした頭で遠くからみていた。


「大丈夫?寒くない?」

「お母さん、わたしは平気です!」



それは自分と母親で
それを第三者のように
後ろからみているわたしがいた。

これは、夢?


「水族館楽しみね」

「はい!」


…そうだ、お母さんとお父さんと
水族館、やっととれたお休みに
行くって約束してたんだ…


「迷子になるなよ?ゆあ」

「お父さん!わたしもう子供じゃないですよ?」

「はは、すまんすまん」


お母さんとお父さん、
ケンカばかりだったのに…
元通りになったんだ…そう、そうだった…



―――プップーッ!!



「っ!」


――がばっ!



「はあ…はあ…?」


あれは…夢?
こっちに来る前の…そう、水族館…



「っ頭、痛い…」


先を思い出そうとすると
頭がずきずきとひどく痛んだ。



「顔洗ってこよ…」


ゆっくり布団から起き上がる。
時計を確認するとまだ7時前だった。

ヒソカさんはお仕事でいない。

顔を洗って歯を磨く。
朝ごはんは食べる気にならなかったので
あとでとろうと思いながら着替えた。



「よし…気分を晴らすには走るのが一番!」


なんだかんだ筋トレと始めた走り込み。

最初は疲れるしキツイし筋肉痛痛いしで
もうほんとに嫌だったけど、毎日
続けているうちに楽しくなってきた。


こっちの世界は日本…地球とはちがって
そこまで環境破壊が進んでないようで
緑もたくさんあるし、車もそう多くない。

そこまで大きい都市にいないからかもしれないが
空気が澄んでいてリフレッシュにもなる。



下に降りるとカウンターにいた
マスターさんをみつける。



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