と、いうことでさっきの黒のワンピースの他に動きやすいようにジーンズのショートパンツ。いまは日本で言うと秋ぐらいの気温なので寒くなったときのためにカーディガンとコートを一着ずつ。
膝丈のスカートにみえるキュロットに長袖でレースが可愛い白のワンピース。やっぱりワンピースは楽で可愛いからこの他にも色とか形がちょっと違うのでワンピースをもう2着選んだ。
他にもベージュのニット、なんにでも合うパーカー、襟にレースがついててちょっとお嬢様っぽいブラウス。
なんか…がっつりお買い物していまった…
「…ほんとにいいんですか?」
「いいのいいの◆」
まだお金については聞いていなかったのでこれ全部でいくらになるのかはちょっと想像がつかなかった…
でもたぶん結構な額だよね…
このあと靴も見に行った。
動きやすいようにと黒のブーツも買って寒くなってくるのでタイツやら靴下も買って買い物袋が両手にいっぱいになっていた。
…全部買ってもらってるうえにヒソカさん荷物持ってくれてるし…え、こんなに幸せが一気にくるということはなにこれやっぱりわたし死ぬんじゃないの?
「買い忘れないかな…?◆」
「んーそうですね…あっ」
「ん?なにかまだあったかい?◆」
「あ、いや…その…うう…」
あったよ…女の子として大事なの…
下着!買ってません!
ずっと一着で着まわしてたけど
さすがに辛いんだよね…
でも、それをヒソカさんに言うの…?
ううう…このイケメンに下着って言うの?!
それどうなの?!女の子として終わってない?!
「?」
「あの、ヒソカさん…ちょっとソファーで待っててください!」
「ん?どうして?◆」
「ちょっと…その、あれなんで…わたしだけで、行ってきますからっ」
「ああ◆下「わああああっ!?なんで言うんですかっ!なんでわかるんですかっ!」
ニヤニヤ笑うヒソカさん。
うう…イケメン補正が入りすぎだよー!
ニヤニヤ笑ってるだけなのに
かっこいいからむかつく。
「ついてこなくて大丈夫ですっ!」
「ゆあ迷子になりそうだからね◆」
「そこまで子供じゃありませんっ!」
「お金、まだ使い方わからないだろ?」
「いま教えていただければ問題ないです!」
「あ、ほらここ◆」
「うわあ」
ぐいっと手を引かれて強引にランジェリーショップに入る。うわあ…なんのためらいもないよ…堂々としてるよ…!
店員さんも店内のお客さんもびっくりしてる。
…そりゃあいきなり男の人が入ってきてしかもその人がイケメンで、しかも堂々としてて…
「ほら、これなんかどうだい?◆」
「………却下です」
「残念◆」
この流れにも慣れてきた。ちら、とヒソカさんの手に持ってる下着をみると黒のスケスケレースしかも紐パンだった。
うわあ…それをいい笑顔で持つイケメンって…なかなかない図だよね…貴重なものがみれました。
「いらっしゃいませ〜お客様試着はなさいますかぁ?」
「えっ、あの…」
「試着した方がいいんじゃないのかい?」
「あの、ちょっと黙っててもらえますか…」
「仲がよろしいんですねぇ〜ご兄妹ですかぁ?」
「ん、まあそんなとこかな◆」
兄妹はみえないと思うんだけどなぁ…
ヒソカさんはオレンジ色の髪の毛だし
わたしは純日本人だから黒だし…
まあでもカップルにはみえないもんね…
「恋人って言って欲しかった?◆」
「な!そんなわけないです!!」
「そう、残念◆」
ほんと、どこまでが本気なのかなこの人…
とりあえず何着か選んで試着することにした。
やっぱり下着ってサイズとか大事だもんね。
フィッティングルームに入って
店員さんにサイズを測ってもらう。
ふと鏡に映った自分と目が合う。
黒い髪、黒い瞳、白い肌。
特に変わったところはないふつうの女の子で。
ヒソカさんと並んで歩くと
いやでも人の目を惹きつける。
そりゃあヒソカさんかっこいいし…
わたしに女の人の痛い視線が刺さることもあった。
「(まあ、釣り合うわけないもんね)」
はあ、と試着した下着に目を落とした。
「ゆあ◆可愛いねそれ◆」
「?!あ、な…ん…?!」
「あんまりにも焦らすから」
「っこ、の…変態っ!!」
そのへんにあったハンガーを投げつけて脱いでいた服で体を隠す。
「痛いよゆあ◆」
「わたしの心も傷ついてます…!」
急いで服を着てフィッティングルームからでる。ニヤニヤしてるヒソカさんを睨んでお会計に気に入った下着を何着か持っていった。
「これは?」
「あ、はいあれはいらないのでこの5着でお願いします」
「…◆」
最初に持っていた黒の下着を持ってくるが
見なかったことにしてスルーした。