薄暗い部屋の中心で、身を寄せ合う男と女がふたり。
「お兄ちゃん、なにしてるの?」
「ん?気持ちいいこと」
脚の間に名前の身体を抱きこみ後ろから衣服に手を突っ込む神威に、女は不思議そうに問いかけた。しかし止める気配は彼にはない。にこにこと普段通りの笑みを浮かべて釦を外していく。そして薄い女の胸を両手で包んだ。ぴくりと名前の身体が揺れる。
「ん、やあっ」
「しー。母さん達が起きちゃうだろ」
隣の部屋で眠る母ともう一人の妹、神楽に気付かれまいと神威は人差し指を唇にあてた。そしてやわやわと胸を揉んでいく。快感ともくすぐったいとも分からぬ感覚に名前は身体を捩った。
「くすぐったい?」
「変な、かんじ」
後ろから胸を揉まれながら女はぽつりと答えた。やがて硬く主張する胸の頂点に神威の口角が上がる。名前の身体を抱き上げて、向かい合わせに自分の膝に座らせた。乱れた衣服から覗く目の前の胸に浮かべた笑みを深め、男はべろりと突起を舐め上げた。
「ひゃあ、」
一際大きく女の身体が揺れる。そして神威は更にそれを甘く噛み、舌先で転がした。
「ああ、おにい、ちゃ、」
感じた事の無い刺激に名前は震えた。次に神威の手は女の下着の中へと侵入していった。毛も生え揃わないそこの奥へ入り割れ目をなぞると男の指が濡れる。
「濡れるの早。名前、素質あるかもね」
「そし、つ?」
意味が分からぬ女が首を傾げると、男はにっこりと笑んで唇を重ねた。
「ん、」
唇を割って小さな舌を絡め取り、ぢゅうと吸い付くと名前は驚いたように目を見開いた。
「んんんっ」
息が出来ずに肩を押すと、いとも簡単に男は唇を離した。その間も指は名前の割れ目を往復しており、粘着質な蜜は満遍なく広げられる。
「はあ、あ、あ」
二本の指で的確に豆を擦られ、だらしなく開いた女の唇から吐息とも取れる嬌声が漏れた。神威はその表情を見て舌なめずりをした。
「ああ、可愛いなあ名前。神楽とは大違いだね」
そう言う目の前の兄を、女はぼんやりと見詰めた。姉の神楽にも同じことをしているのを、名前は知っていた。名前はこれが、兄から与えられる愛情表現のようなものだと認識していた。
その間にも胸の突起をちゅうちゅうと吸われ、豆を擦る男の指はスピードを速めていき、名前は自分の中から何かが湧き上がるのを感じた。
「ふあ、あっ、おにいちゃ、なんか出そうっ」
「ん?イくの?」
「ああああっ」
ぶるぶると身体を震わせて名前は頂点を迎えた。どくどくと膣から蜜が溢れ、男はそれを指に絡めながら緩やかに撫でた。ひくひくと女のそこが震えている。
「はあ、はあ」
ぐったりと身体を預ける女を見て、神威は小さく笑んだ。
「ま、初めてだし。ここまでにしとこうか」
「はあ、おにい、ちゃ、」
「次は挿れさせてね、これは俺とお前の秘密」
そこまで聞いて、名前はついに意識を手放した。

20100615 / おにいちゃん
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