今日もまたなんの変哲もない一日を過ごす。

時間は午後1時30分。睡魔と闘いながら受ける5限。睡魔と闘っているのは私だけではなくて周りの多くの生徒がうつらうつらと船を漕いでいる。そのためか教室は静かでやけに教師の声が響いていた。

私はなんとか目を覚まそうと、自分の好きなことを考えたり、時にはシャーペンを軽く手に突き刺して見たり。それでも眠い時は眠い。

くあ、とあくびをしながらふと外を見た。ここ、3の2は一階に位置しており、ちょうど窓側から先は裏山の方へと繋がっている。
天気の良い今日は裏山でのお昼寝にはもってこいだろう。まあ、サボるなどということをするつもりは毛頭ないのだが。サボることは一種の憧れで、実際に実行しない。しかしサボることができたらさぞかし楽しいだろう。何分、授業というものは退屈だ。

そんな私がふと外を見て見つけたもの。人。きっとおサボり最中。
のっそりのそりと歩いている彼をじっと観察していると目があった。まさか、目が合うと思っていなかった私は驚いた。しかもそれがあのテニス部の千歳千里だったから。

ドキンと胸が跳ねた。

彼は私が見ていることに気づくと人差し指を口元に持って行き、しーっという動作をして、裏山の奥へと消えて行った。
たった数秒の出来事。そんな数秒だからきっと私は一瞬で彼の記憶から消えてしまう。ただのしがない女子生徒の私にはその道しかない。彼のトクベツになんてなるわけがない。

今日も今日とて変わらぬ一日を過ごすのだ。

20140810

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -