転生審神者ちゃん(5)
ふわりと考えたお話し。
続かない
○○○
齢5歳にして審神者になりました。いやいや政府ブラックすぎでしょ???私が人生2回目じゃあなければ耐えられなかったと思うよ!
そう私、人生2回目です。見た目は5歳だけど中身は…聞かないで…。少なくとも30代くらいまでは記憶があるから。そのせいで幼い頃はそこそこ大変だったけどなんとか演じ切った。よくやったと思う。
そんな私はある日突然やってきた黒服の男たちに審神者になれと言われました。両親は反対したけれど政府はそんなの御構い無し。私も子供っぽくやだやだと駄々をこねたけど意味なし。
車で連行されて怪しげなゲートの前に立たされております。そうです現在進行形です。
「ここはどこ?」
5歳児を演じて黒服の男の人に聞いてみる。
「今日からここが君にお家だよ」
「パパとママは?」
「君がお仕事をいっぱい頑張ったら会えるよ」
ニッコリと黒服の男の人は笑顔で対応してくれてるけど内心めんどくさいってのが見え見え。
どのみち逃げ道はないのでおとなしくゲートをくぐる。どうやらここからは一人のようで誰もついてこなかった。まあその方が楽だからいいや。
中に入ると大きな門の前。そして一匹の狐。
「こんにちは審神者様。今日からこのこんのすけがサポートいたしますってぇええ小さい!?子供!?」
「狐が喋った!?」
流暢に日本語を話す狐に驚く私。そんな私に驚く狐。カオスである。
こんのすけ、と名乗った狐は私のサポートらしいが、こんな子供が来ると思っていなかったらしくブツブツと何か言っている。くそ政府なんて言葉がちらりと聞こえた気がしたが気のせいにしておこう。
「あらかた想像はつきます。来てしまったことにはもう戻れませんのでこのこんのすけめが貴女様をしっかりサポートします!」
ポンっと胸を叩いて任せろと言わんばかりのこんのすけ。
「ありがとうこんのすけ。でもあいにく私は5歳だけど5歳じゃあないんだよねえ」
「はて???どういう意味で???」
こてりと首をかしげるこんのすけ。どう説明したらいいのだろうか。私も合わせてこてりと首を傾げてみせた。
「うーんと、前世の記憶があります」
「なな、なんと!だからそのお年で霊力が豊富なのですね!!!」
「驚かないんだ」
「ええ。審神者には特殊な方々がたくさんおりまして。前世の記憶がある方はたまにいらっしゃいますよ。ただ、5歳児というのは初めてではないですかね」
「へえ」
ふうん、私が初めての幼い審神者か…。
そう考えると私は審神者として失敗しなければならないと思う。そうでないと政府が調子に乗って私以外の幼い審神者を増やすかもしれない。それはダメだと思う。
「こんのすけ、私は審神者になりません」
「ええ!そんなこと言われてもここに来たら引き返せませんよう」
「うん、なるけどならない。政府に見限られるようにダメな審神者になる。私のような審神者を増やしたくないから」
「あー…審神者様の言いたいこと、なんとなく理解しました」
どうやらこのこんのすけは頭がいいらしい。詳しく説明しなくても理解してくれてありがたい。
「私めも幼い子に審神者をさせるのは賛同しかねます。ご協力いたしましょう。目指せクズ審神者!」
「ノリがいいね、こんのすけ。これから君は私の相棒だ」
久しぶりに本当の自分で話すことができて私もテンションが上がっているのかもしれない。今まで5年間、過去の自分をひた隠しにしてきたのだから仕方ないだろう。
さあ、はじめよう。
クズ審神者としての生活を。
○○○
某イラストサイトで連載されてそうだなあなんて思いながらぽちぽち。
審神者ちゃんというより審神者さんのイメージ。だがしかし5歳。初期刀誰にしようかなというところ。
息抜き小説でした。
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