※BAD END

いつかは来るんだろう。僕らが離ればなれになる日が。そんな未来を想像したら、僕の心は嫌だと言って震えたんだ。今目の前にいる君は変わらずに綺麗で、優しくて強い。名前を呼んだら笑って言う。「なあに?ロキ」って。

「今日も変わらず綺麗だね」
「ロキこそ変わらず口が軽いわね」
「酷いなあ、本気で思って言ってるのに」
「はいはい、ありがとね」

僕の言葉を軽くあしらって、でも柔らかく笑う君を見ていると未来なんか来なければいいのにって思う。ずっとこのまま、ふたりでいられたらいいのにって。そんな僕の願いを無視して時間は刻まれていく。寸分の誤差もなく。ふたりで過ごす時間が僕に与えるものは計り知れない幸せに満ち足りている。けれど、代償だとでもいうかのようにふたりで過ごせる時間を奪っていく。とても残酷な速度で。そしてすべてを奪われるころ、僕はきっとひとりで泣くんだ。

「ルーシィ」

そんな悲しみを僕にもたらす唯一の君を、僕は、もうどうやったって後戻り出来ないまでに愛してしまった。

「ん?なあに、ロ…」

ならどうすればいい?
どうすれば、君と僕は悲しいさよならをしなくて済む?

「ロ、キ…?」

君の細くて白い首に絡み付いたこの指が、その答えに辿り着こうとしてたから。だから必死に、必死に力を込めたんだ。愛してるよって、何度も叫んだんだ。

「愛してるよ、愛してる。君だけを愛してしまったんだ。許して、僕を。愛して、僕を。愛してるよ、愛してる」


どうか悲しくはない
さよならを

ふたりの時を止めよう



2011.10.04


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