夕陽みたい。あいつはそう言って俺の髪に触れた。

「そうか?ほかの奴らは派手とか目に悪いとしか言わねーけど」
「ほんと?こんなに綺麗なのに」
「お、まえなあ・・・」
「ん?」

素直なのはいいことだけど、こいつの素直さはたまに毒だ。なりふりかまわずほかの奴らにもそんなことを言っているのかと思うと、ひどく胸が掻き乱された。俺らしくもない。そんなふうに思いながらふと視界で揺れた金糸を一房掬う。

「お前の髪のが綺麗だろ」
「っへ!?・・・どこが?」
「見るからに、だよ」

形勢逆転を狙ってのひとことに案の定ルーシィは顔を赤くした。反応がすぐ顔に出る可愛い奴。調子に乗って頬を撫でながら顔を近づけると、ぺちっと可愛い音を立てて手の甲を叩かれた(その痛みすら可愛いんだけど)「けち」と口で形だけつくって言うと、同様にルーシィの唇も「ばか」と象った。

「ぶっ!ほんと可愛い奴!」
「う、うるさい!からかわないで!」
「からかってねーよ、超可愛い」
「〜〜〜っ!ばかばか!」
「・・・黙らす」
「えっ、・・・きゃ!」

あまりに馬鹿馬鹿言うその小さい唇を、噛むように塞いでやった。そんな声なんか出して、申し訳程度に俺の胸なんか叩いてみて、ほんと、どうしようもないほどこいつは可愛い。俺に可愛いと思わせる、唯一の奴。合わせる唇の濡れ方も、合間の息の仕方も、舌の使い方も全部俺が教えた。俺しか知らないこの唇は、これから先もずっと俺だけのもの。そうわからせるように、ルーシィの咥内を犯した。

「ん、はぁ・・・っん」

あとどれくらいキスをしていたら、俺たちは溶け合う?濡れる唇の隙間から半分冗談で、でも半分本気で問いかけた俺に、余裕のない顔をしたお前は言った。

「ず、っと」

それは反則を通り越して最早罪だと思えるほどに艶めいていて。どう頑張っても俺には崩れた理性を建て直す余裕など持てなくて、馬鹿同様本能のままにお前を求めるんだ。



修復するのは結構大変だったりする



2011.03.03


prev next

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -