伸びた髪を指に絡ませると、君はくすぐったいと言って笑った。盗むように軽いキスを落とすと少しだけ赤くなって僕を睨む。

「いっつもふいうち!」
「いつも急にしたくなるような顔するワコが悪い」
「〜意地悪っ」
「どこが?」

いつまでたっても初々しい反応をしてくれる君に意地悪したくなるのは仕方ないことなのに。そう思う自分がなんだか可笑しくて、そんな僕を引き出す君がどうしようもなく大切で。頬を膨らませて僕を睨んでいた君だけど、いつもすぐにふわりと笑って言う。

「でも、好きなんだ」
「……っはあ〜」

心臓に悪い殺し文句は文字どおり僕を殺す勢いだ。盛大に溜め息を吐けば君は余計得意気に笑う。

「ワコのほうがよっぽど意地悪だろ」
「意地悪ではないよ」
「…まあ、僕だって好きだけど?」
「…もう」

僕の言葉にまた顔を赤くして、少しだけ顔をそらして。ほら、そんな顔するからしたくなるのに。

「…っ!」
「ワコのせい」

本日2回目の盗みキスに君は真っ赤になった。愛しい、な。ぽつりと溢れた僕の言葉で更に真っ赤になった君は、いつもいつまでも、誰よりも何よりも。確かな愛を僕に感じさせるたったひとり。



どうぞ僕を捕まえて



2011.04.03


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