何も言わずにそばにいてくれた。手を握っていてくれた。そのやさしさとぬくもりが愛しくて、あなたが愛しくて。

「神田」
「あ?」
「・・・大好きだよ」

喉から滑る声はとてもなめらかにあなたへと漂っていく。少しだけ眉間に皺を寄せた、その不器用な仕草も大好きで。

「知ってる」

そうやって私を嬉しくさせる言葉ばかりくれる。握る手を強くしてくれる。それだけでいい。今日という日にあなたがそばにいてくれるだけで、それだけでいい。ほどける口元を隠すこともなく私はあなたに笑いかける。そうしたらあなたは私に近づいて、掠めるようなキスをおとしてくれる。ひとつ、ふたつ。ふわり、ふわりと。ぎゅっと抱きしめてくれる、あたためてくれる。そんなあなたに、私はただ愛を感じる。



今日も、明日も



2011.02.20 リナ誕


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