あなたとの永遠。それはまるで逃げ水のように、追いかけても追いかけても掴めない幻想に過ぎない。例えばあなたが私を好きだと言ってもそれは変わらないことのように思える。だから言うんだ。どうせ変わらないなら、吐き出すくらい許してと請いながら。この溢れだしてしまう想いが消化不良を起こさないようにと言い訳をしながら。
「好きよ」
「…ふいうちは良くないさ、リナリー」
私の唐突な愛の告白の前であなたは困ったように笑うだけ。でもそれでいい。それがいい。だってあなたは私に永遠をくれないひとだから。
「私は思ったことを口にしているだけよ」
だから私にはあなたを困らせる権利があるはず。敵わないさあ。途方に暮れるあなたの声が大好きだった。愛を囁くのと同じくらいにあなたを困らせるのが大好きだった。永遠の変わりに優しい嘘をくれるあなたに、私はいつも恋して愛してた。あなたが囁いてくれない分まで私はあなたに愛を囁き困らせて、ときどき永遠を願ったりしていたの。困らせるだけだとわかっていたよ。
でもやっぱり愛してるって
伝えたかった。
2011.04.28
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