「…なんか企んでるでしょ?」
少し頬を染めながら伺ってくるルーシィに、彼女の髪を撫でていたロキはにこやかに応答した。
「ん?なんで?」
「だ、だってなんだか…」
俯きながら言葉を詰まらせたルーシィにロキは楽しそうに笑った。なに?とロキがやさしく催促すると、聞き落としてしまいそうなほどの小さな声でルーシィは呟いた。
「…やさしい」
彼女のその言葉に、途端、ロキはこれでもかというくらい頬を緩めすぐにルーシィを抱き締めた。ルーシィは急な出来事に思わず抵抗するがその抵抗力ごと抱き締められる。
「な、なんなのよもう!」
「ん〜?ルーシィの可愛さに悶絶中」
「は?!」
腕の中でじたばたともがくもののぴくりともしない。仕方なく大人しくなったルーシィは素直に身体を預けた。
「言ってる意味がわからないわ」
「そのままだよ」
お互いの心音が聞こえてシンクロしている。もっと聞きたくてロキの胸に耳を押し当てたルーシィは幸せそうに笑った。
「…そういうの反則」
「え?」
「あーあ、せっかく今日くらいはやさしくいようと思ったのに」
深い溜め息を吐いたロキは抱き締める腕を緩めてルーシィに向かい合った。赤らんだ彼女の顔、少し潤んだ瞳。恥ずかしそうにちらちらと目を合わせてくる仕草が妙に色っぽい。
「だからなんなの…って!」
抗議する姿すら可愛いのに、と思いながらロキはルーシィの首筋に音をたてながらキスをした。一瞬にして真っ赤になったルーシィを見て納得したように笑い、顔を見合わせながら抱き締める。
「やっぱ好きな子には意地悪したくなっちゃうなあ」
「え?!…ちょっとまっ」
「待たないよ」
そう言ってやわらかいルーシィの唇を塞いだロキは、その後一昼夜かけて愛を注いだとか。
サディストは愛と本能に実直なもので。
2010.10.23
ー ー ー ー ー ー ー ー ー
稲荷ギンカ様からのリクエスト、『いつもはどえすなロキさんが、あれ?今日は優しいよ?って戸惑うルーシィ』でした。たぶん。
リクエストに答えられていない気がしてびくびくしております;
まずはとにかく、大変大変お待たせ致しました!…って待ってて下さったならの話なんですが(おこがましくてすみません〜泣)
どえすなロキがやさしくだと…?とひたすらに考えた結果このような感じになりました。最初はとんでもない長編になってしまったので直しまくってこうなった次第にございます。オチは"やっぱどえす"、みたいな感じで…←
文章能力がかなり残念で申し訳ないのですが見てくださると嬉しいです。
リクエストありがとうございました。これからも気まま&残念な久遠をよろしくお願いします。
久遠