※沖田→平千


朝下駄箱で11個、教室に行くまでに3個、休み時間ごとのを合計して7個、それから帰るまでに3個。計24個。今年も記録更新だな、と平助は僕を羨ましがったけど、僕としては平助のほうがよっぽど羨ましかった。彼の手には優しい文字で「平助くんへ」と書かれたカードが添えられた黄色い小包。僕が大好きな優しいあの子の文字。

「とか言ってその1個が一番嬉しいくせに」
「へへ、まあな」

悪びれることなくそう笑う平助を見て本気で殴りたくなる反面、その小包の真意を知りたくなる。目的なら何でもあるだろ。友とか義理とか、まあ平助の立場からして幼馴染みとか。僕に宛てられたそれらの目的はきっと「本命」だ。だけど僕はちっとも嬉しくない。ひどいやつだと蔑んでもらって構わない、僕はただひとつ、あの子からもらいたい。それが僕に宛てられた24個と同じ目的だったなら、それ以上幸せなことはないのになあと思うんだけど。





人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -