鮮やかで愚かな恋に(アルマと神田とリナリー) :

変わらないと思っていた関係に終止符を打ったのは紛れもなく僕だった。いつから、とかそんなものは知らない。ただ独占したくなった。触れたい、触れられたいと思う対象がいつからかたった一人だった。

「アル、マ?」

戸惑った君の声にすら、胸が甘い苦しみを覚えるんだ。抱きしめた体の細さに、自分との違いを思い知って切なくなるんだ。いつまでもずっと、変わらないときれいなままで君といたかった。幼い頃の思い出をやさしく撫でるみたいに大切にしたかった。でも僕は大人になるにつれてどうしようもない欲と焦燥に駆られて、きれいとは程遠くなってしまった。君を独占したいと思うのはなにも僕だけではないのだから。

「リナ」

知らない声で僕の愛しい名前を呼んだ彼もまた、僕と同じように苦悩する一人なのだ。放課後の教室で、まるでそこだけ世界が止まっているかのような、そんな中に佇む二人に僕は何もできなかった。重なった影に後ずさるほかなかった。走って、走って、走って走って走って、走った先で僕は、悲しみよりも怒りよりも、自分の愚かさに泣いた。遅かった、馬鹿だった。それだけだった。だから今こうして同じシチュエーションで君に触れる僕は、どうしようもないほどに勝ちたいんだ。彼にではなく、愚かな自分に。

「リナ、」
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