溺れていくは極上死(蘭丸と春歌) :

「っん」

馬鹿みたいに身体が熱かった。心臓はその存在を知らしめるかのように騒がしくて、呼吸は浅く速く、湿ったものに変わっていく。キスがこんなにも興奮するものだなんて、今まで知らなかった。いくらしてもし足りなくて、苦しそうにするこいつを見下ろしたところで余計に呼吸を奪ってやりたくなるだけだった。

「はっ、ぁ……く、るしっ!」

漏れる苦言、熱い吐息にあらゆる体液が沸騰するみたいだ。壊したい。そんな馬鹿げた想いが駆け巡る。乱れていく春色、日溜まり、染まっていく白。すべてが俺のものだ。そうして優越感に溺れ、俺もまた息苦しくなる。

「春歌、」
「っはァ、ら、蘭丸さ……」
「喰らい尽くしてやるよ…何もかも、お前の、全部」
「ら、んっ!!」

噛みついた極上に、言葉では伝えられないすべてをぶちつける。必死に背にしがみつく手に、心臓は握りつぶされるみたいに。こんなどうしようもなく甘く殺されるならそれが本望だと、柄にもなく思った。
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -