降り注ぐ欲情と咎を(牧田と姫川) :

獣染みたこの行為の中で、確かに感じた。抱かれ抱きたいという熱情を。離れたくないという恋情を。

「っ、あ」
「そうだ、もっと煽ってみせろ…俺に、溺れろ」

低く唸るような牧田の声に肌が粟立つ。同時に彼を締め付けてしまう。悔しい。こんなの、感じてると言ってしまってるようなものなのに。でも少しだけ余裕を無くしたように笑う彼を見ていると、その敗北感も和らいだ。

「好きか…?この声」
「っ、自意識過剰よ」
「ああ、また締まった」
「!!」
「手離せなく、なりそうだな」

溜め息混じりに呟いた言葉を信じてしまいそうな自分がいる。事実にしたい自分がいる。でもそれは決して成り得ない。私たちに明日はなく、寧ろ今だけだ。今しか、触れ合うことも、感情を溶かし合うこともできない。愚かすぎた。なのに、悔しいほどに惹かれている。互いに求め合ってしまっている。口をついてしまいそうになる言葉を、何度も何度も、心の中で叫んでいた。
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