言葉は追いつかない(音也と春歌) :

言葉は追いつかない。伝えたい気持ちに、表したい気持ちに。どんなにたくさんの言葉を知っても、すべてをのせてくれるような言葉は見つからない。だからどうすれば君にこの想いの丈を伝えられるのか、苦悩する日々がもどかしい。



「それでも、わたしたちは恋をするから。生まれる気持ちが、素直にわき上がる言葉が愛しくて、あなたが愛しくて、愛しくてしあわせなんです」

君はいつも、緩やかに穏やかに、この心臓を揺さぶる音を生み出しては、その音にことばをのせる。君の唇が紡ぎだすものすべてが、俺の糧だ。君に返したくて、音やことばを返したくて、捧げたくて。なのに、俺の口からこぼれるのはいつだってひとつなんだ。

「君を愛してる」

そのたったひとことで、君はいつも蕩けるような笑顔をくれる。その瞬間ほど、君を永遠にしたいと思うことはない。涙が出るほど愛してる。呼吸がままならなくなるほど愛してる。ただどうしようもなく、君を愛してる。この想い、こんなことばが、君の糧になれば、君が笑う糧になればいいと思うよ。
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