溺れてはキスをした(カグラとミコノ) :

あつい。くるしい。とけて、しまいそうだ。

私は不思議な気持ちだった。重なる肌の熱さや、ぶつけられる熱情や、似つかわしくない言葉や。そのどれもが名前もよく知らないような人に与えられている。なのに、私の心も体も、この人に溺れていた。

「…んっ、はぁ、あ」
「シルフィ、だい、嫌いだ」

知らなかった。この行為に伴う痛みも、快感も。知りたくなかった。この人の真実(ほんとう)を。私に落とされる言葉の意味を、私はもうわかってしまう。狂おしいくらいの、恋情だということを。

「壊したい…っ、もっと、お前を、殺したい」

苦しそうな表情とは裏腹に、何度も何度も激しく私を掻き乱しては、呼吸を奪ってはまた囁く。私にだけ聞こえる。アイシテルという叫び声が。
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