☆お花見に連れて行って! 「カイトーっ」 「ん?」 「もう桜が咲く季節だよね!」 パタパタと俺のところに嬉しそうに駆け寄って来る可愛い恋人。 そういえば、暖かいな。 桜が見たいなんて、女の子みたいだな、レンは。 でも、二人で行けたら…嬉しいな。 俺は桜とか関係なく、レンと一緒に居られればいいんだけどね。 「…イト!カイトってば!」 「え、どうしたの?」 「もう!やっぱり聞こえてないー!カイトは僕と桜見に行くのは嫌なの!?」 「桜より、レンを見ていたいな」 「…バカイトー!!」 真っ赤な顔を見せて部屋から出ていくレン。 ホント、桜を見るよりレンを見てるほうがいいな。 あ、でも花見に行くって行ったら喜ぶだろうな。 誘いに行こうか。 拗ねてるであろう恋人を誘いに出て行った扉の近くへ寄ると、レンと視線がぶつかる。 部屋に戻ったのかと思えば、今まで扉の隅にいたらしい。 「どうしたの、レン?」 「…僕のこと、見てていいから…お花見連れて行って?」 上目遣いでお願いされたら断れない。 いや、レンだと断れないのほうが正しいかな。 それにしても可愛いな。 「そんな誘い方されたら止まらないよ俺」 「いつものことでしょ。いいから連れて行って!」 「はいはい、お姫様」 クスクスと笑い、強気な恋人に承諾代わりにそっと口づけをする。 END |