★唇の温もり




「ん…」


重い瞼に目を擦りながら身体を起こす。
寝ぼけた頭で記憶を掘り返す。

昨日は確か…カイトとデートして、帰り一緒に帰って……キス…したんだっけ。
思い出したら急に恥ずかしくなってきた。
布団に潜って気分を紛らわす。

でも頭の中は昨日のことがぐるぐると巡っていた。


今日は休日…なにかすること…カイトに会うのも…正常を保てないだろうし。


コンコン

突然のノックの音にビクッと肩を振るわせる。

まさか…カイトじゃないよね?


おそるおそる扉を開けると、その先には予想と違う人物が立っていた。


「おはよう、レン」

「ミクオ…!?」


爽やか…いや、少し嫌味の混じった笑顔で挨拶を交わすミクオ。


「ねえ、今日暇だし散歩でもしない?」

「え…?別にいいけど」

ミクオに誘われ外に出ることになった。
さっきまで昨日のことを思い出してて熱いくらいだったから、外の風が涼しくて気持ちいい。


「寒くない?」

「へ?ううん、全然」


普通は寒いのか…木の枝に葉っぱもない季節だし。
熱くて気づかなかったけど。

ミクオって結構優しい奴なんだとか笑いかけたらなんだよって顔された。
当たり前だけど。



「そういえばさ、今日はカイトと会う約束とかしてないの?」

「は…!?な…なんで!?」

「付き合ってるんでしょ?」


や…やっぱり気づいてたの!?
ミクオってたまに鋭いところあるから怖くなる…。


「はは、驚いた?レンの態度分かりやすいから」

「え?じゃあ他の人にも…」


「大丈夫。他の奴は鈍感だから気づきやしないって」


まあ…バレちゃったけど、ミクオなら平気かな…?


「俺もレンのこと好きだから」


ちょっ…今なんて…?


ミクオが俺のことを好き…?
これって告白?



「…うそでしょ?」

「わざわざこんなウソつかないって」



…ええええええ!!?


初めてミクオから告げられた友達以上の感情。


END



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