☆帰り道




「………」

「………」



会話もないまま帰り道を歩いていた。
来た時と同じく手を繋いで。


なんか気まずい…さっきのことを思い出すと恥ずかしくて話掛けられない。


「あのさ、レン」

「なっ…何?」


「…やっぱりなんでもない」

表情は見えないけど、何か隠してるような素振りを見せる。

なんだろう…すごく気になる。
俺何かしたかな…?


でも、カイトがすたすたと先に行っちゃうから聞けず終いでもう家の近くまで来てしまった。


「もう、着いちゃった…」


「レン」

「ん?」


返事したと同時にカイトの顔が目の前にきて、ちゅっと効果音が鳴った後カイトの顔が離れる。


「え…」

口元を押さえながら、ただ立ち尽くすことしかできない。


「また、学校でね」


微笑みかけてカイトは帰っていく。


俺…キスされたんだ…
口に手を当てたままカイトの後ろ姿を呆然と見つめていた。


END



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