生徒会長





「ねえ、がくぽって…?」

「レン、知らないの?生徒会長だよ」



ミクオ的にはすかしてて好かない奴…らしい。

確かに生徒会長っていえばミクオの苦手なタイプだって分かる。

がくぽさん…か。
俺が屋上に行くところを見てたとしても、俺のこと知ってるのにはびっくりした。
…俺は知らないのに。

でも、がくぽさんのおかげで助かったんだよね?
だとしたら、お礼を言いたい。
黙々と考えながら歩いていると、突然顔面が何かにぶつかる。



「…っ!」

「大丈夫か?」


誰かとぶつかったみたいだ。
顔をさすりながら見上げると紫の瞳と目が合った。


「あっ…大丈夫です。ごめんなさいよそ見してて…」

「構わない、レンに怪我が無いのなら」


「え…?」


俺の名前を知ってる…?
呆然としていると肩をそっと叩かれる。

「レン、コイツががくぽ」

この人が、がくぽさん…。
あっ…お礼…言わなくちゃ!


「あの…がくぽさん!助けてくれてありがとうございます!」


「好きな者を守るのは当然であろう?」


耳元で囁いた後、不敵な笑みを浮かべて去って行ってしまった。


今…好きな者って……それって、がくぽさんが俺のこと…。

突然の言葉に頭の中がごちゃごちゃになってしまった。




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