☆ドキドキな登校




「おはよう、レン」

「あ、おはよう」



背中をポンと叩かれ振り向くとカイトがにっこりと笑っていた。


学校の通学途中、周りでは他の生徒が楽しそうに会話をしながら登校している。

…聞かれてないならいいんだけど。


「カイト兄、他の人の前で呼び捨てはダメだからね?」

「わかってるよ、恋人なんて知られたら面倒だしね」


そう、俺とカイトは付き合ってる。
まあ…理由はくだらないこと。

他人に知られたら勉強どころじゃなさそうだし。
いや、今もあんまり授業に集中できてないけど。



まあ、バレることはないよね。
友達か兄弟くらいにしか見えてないだろうし。

…その前に男同士なんて考えもしないか。


キーンコーンカーンコーン…

考え事をしていたら、いつの間にか学校の目の前にいた。


「うん、今日の授業も頭に入りそうにないなぁ」

「なんで?」


「うわっ、急に話しかけないでよ!」


心臓すごく跳ねてるよ…カッコ悪いなぁ。
なんかカイトはニヤニヤしてるし。


「…なにがおかしいの」

「レン、可愛いなって思って」


かああと効果音がつきそうなくらい顔が熱くなっていく気がした。
カイトの微笑みと低めな声に鼓動も早くなる。

俺の授業に集中できない理由はカイトが一番の原因だ。

この調子だと天然アイス男はずっと気づくことなく俺の心を奪っていくんだろうな。


「…別に、カイトだから許すけど」

「ん、どうしたの?」


「なんでもない!ほら早くしないと授業に遅れるよ!」


さっさと教室に行くことで、ドキドキを隠した。

…こんな状態じゃ、いずれバレるかもね。

クラスメイトに挨拶しながら席についた。


END



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