屋上で






「もう、あんな事しないと約束してくれますね?」


「…はい」



職員室前、キヨテル先生とルキの話し声が微かに聞こえてくる。
そっと顔を出すと、キヨテル先生が職員室に入って行くのが見えた。

ルキが一人になったのを見計らって傍に寄り、声を掛ける。


「ルキ」

「…レン?」


「少し話がしたいんだ。屋上まで来てくれる?」


俺が問いかけるとこくりと頷きついて来る。



屋上まで移動する間、一言も会話せずに辿り着いた。
外に出てすぐ校庭の眺められる場所に向かって歩く。


「俺さ…君の事が好きなんだ」


「え…!?」


今まで言葉を交わさなかったルキが急に口を開く。

突然のことで思わず声を上げてしまう。
ミクオの言う通り…本当に俺のことが好きなんだ。


「カイトとミクオは堂々としてて羨ましいよ。普通男同士って隠しておくものじゃない?」


…出来れば、学校では控えて欲しい行動だけどね。
堂々過ぎるからもう皆に知れ渡ってるし…。
あの二人が詰めよってくると女子の目線が怖いんだよね…。


「やり過ぎたって…反省してる」


「あれくらいがちょうど良いのかもね」

「…え?」


「学校にも関わらずイチャイチャしようとするし、少し痛いくらいじゃないと直さないだろうし」



だから、ありがとう。
そう告げると目を見開くがすぐに笑みを見せる。



「…君、変わってるな。普通あれだけ怪我させたら怒ると思うんだけど」


「すごく心配したけど…ルキが本当は優しいって信じてるから」



面と向かって言えば、また目を見開く。
…なんか、変なコト言っちゃったかな?
何故かルキは無言のまま近づいて来る。
段々縮まる距離、それをただ見つめれば身体に腕が回り、抱きしめられた。



「る…ルキ!?」


「信じてくれてありがとう。やっぱり俺は君のことが好きだ」



そっと、顎に手を添えられ上を向かせられる。



―うそ。キスされる……?



ルキの顔が近づくことで何をされるか気づいた。

胸を押して抵抗するが、びくともしない…。



「いや…っ、やめて…!!」



「…ルキ!!レンを離せ!!」



ダメかと思った時、現れたのは俺の大好きな青―


END



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -