ハプニング 周りの生徒の話し声で体育館はざわついている。 …体育館の中心で勝負宣言をしたのだから当然だ。 しかも大声だったし。 他人だったらどうでもいい話なんだけど、俺をかけて勝負してるって…はいはいって流せる話じゃない。 「キヨテル先生、記録お願いします」 「…仕方ありませんね、一回だけですよ」 キヨテル先生の合図で二人は同時に走り出す。 …ていうか、なんで止めないの先生! 周りの女子は黄色い声上げて喜んでるし。 確かに二人共かっこいいけどさ… ドンッ!! 急に大きい音がして気づいた時にはカイトとミクオが顔を歪ませて倒れていた。 「カイト!!ミクオ!!」 すぐさま二人の元へ駆け寄る。 二人は足を抑えながら辛そうにしている。 足元にはどこから持ってきたかわからないが、砲丸の球が転がっている。 「ルキ…だな」 「え…?なんで?」 「あいつ、レンのこと狙ってるから嫉妬でもしたんじゃない?」 嘘…ルキはミクオのこと好きなのかと思ってたのに、あれは芝居…? 「とにかく…二人共保健室行かなきゃ!!」 「私はルキ君と話をしてきます。レン君、二人を頼みますね」 「は…はい!」 足を引きずってるカイト達の手助けをしながら保健室へ向かう。 それにしても、ルキ…なんでこんなこと…。 もう、こんなひどいことしないように話し合ってみよう。 END |