南雲と涼野


「引き取り手が、見つかった」
風介がそう呟いた。
いきなり何を言うかと思えば。は?と返事をすると、風介は隣で膝を抱えながら口を閉じた。
嘘だろ、本当かよ。
今までそんなに気にしなかったけれど、そうだ。俺たちは孤児なんだ。孤独な児童なんだ。いつも隣に風介が居たから、特に何も感じなかったけれど、だけど。
「来週、私はここから居なくなる」
隣に居るのにとても遠くに居るように聞こえる。風介が下を向いているからか、それとも俺の脳がシャットアウトしているのか。

「なぁ、晴矢」
「何か言ってくれ」

そんな風介の声を、涙を堪えたような声を。遠くで聞く俺はなんと答えればいいか分からず、悩んだあげくそうかと一言笑って答えた。

途端、何かが頬を伝った。


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晴兎様キリリクありがとうございました!
消化遅くてすみませんん
シリアスを書くのは難しいですね。ちょっとでも雰囲気が出てたら良いです(^o^)

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テーマ「人外ファンタジー」
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