蘭丸と拓人


24日。せっかくのイブだから、2人で過ごしたかったのに。霧野にメールしても返信は無かった。
結局今日はなにも連絡が来なくて、家族でクリスマスイブを過ごした。家族と過ごすイブが嫌いなわけじゃない、嫌なわけでもない。だけど、一番一緒に過ごしたかったのは、やはり家族ではなく霧野とだった。

もうすぐ12時。いつまで霧野からの連絡を待っているんだろう。いい加減俺も諦めたらいいのに。霧野だって家族と過ごしているのかもしれないし、予定が合わなくてメールの返信ができないのかもしれないし、だけどだけど。もやもやと心に雲がかかる。

はぁ、と一つため息をつく。もう寝よう。こんな夜遅くにまで起きていたら体に悪い。そう自分に言い聞かせて毛布をかぶった。
その時。
ずっと鳴らなかった携帯がぶるると動いた。あ、この音は。
『メリークリスマス。』
電話の向こう側で、愛しい人の声が聞こえた。
「メリークリスマス。」
自然に頬が緩んだ中、時計に目を向ければ針は12時をさしていた。

25日の聖夜の夜に


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