蘭丸と拓人


まじ気にくわねぇ。
そう俺は一人で呟いた。あの一年、いきなり入ってきた途端ファーストクラス入りで。いやセカンドクラスが無くなったから仕方ないんだけど。
でも気にくわねぇ。
ブツブツ俺がそんな事を言っていたら、隣で神童が呆れたようにため息をついた。
「後輩いびりか?」
「違う。」
俺はそんな低レベルな奴じゃない。先輩になったからって、調子に乗ってるわけでもない。ただ。
「松風は今の雷門イレブンを、サッカーを…打ち壊してくれそうだ。」
あー、気にくわねぇ。
神童が少し嬉しそうにそう言った。途端、俺のイライラが更に増した。

気に入らないのは
お前をそんな顔にさせるあいつ。

あいつ、後で少しシめてやろう。
そう思った思考を、まだ少し残っていた理性と良心が打ち止めた。

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